戦略立案の一つ | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 我が国の製造業に突きつけられた課題の一つにグローバル化に対応する拠点戦略があります。


 拠点立地について考える場合、いくつかのことを検討することになります。


 一つは顧客への納期対応力です。いわばオーダーに十分答えられるのかということです。

 二つ目には原材料や部材を仕入れるのに十分な立地かどうかでしょう。

 三つ目は労働力問題です。

 四つ目には十分な技術対応力を持っているか、あるいは養成できるのかがあります。

 五つ目からは災害などのリスクの大きさがどうなにかなど数多くのことも考えなければなりません。


 テルモの昨日のニュースリリースでは「テルモ/グローバル生産体制を支えるコア技術のための新工場を山口県に新設」とのタイトルがありました。http://www.e-logit.com/loginews/2012:011903.php


 最も重視しているのがコア技術の開発と製品化は国内でというもののようです。グローバル化の中でもコア部分は国内でということです。


 その上でリスク分散対策も考えています。


 これまでのテルモの国内拠点は静岡、山梨県に集中しており、災害時などのBCPの観点から生産拠点を多極化することで、安定供給の責任を果たすというものです・


 テルモの工場は海外にももちろんあるのですが、医療機器には、開発から生産まで切り離すことができない製品開発プロセスがあり、また、海外への移管が難しい高度で精密な生産技術があるというのが今回の立地戦略になっています。


 国内工場をマザー工場と位置づけているのです。


 コア工場は国内にという考えは日本の製造業の大きい流れかもわかりません。


 今後も注目すべき分野でしょう。


今日のキーワード

”コア技術はどこに”