3温度帯配送車による物流改善 | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

ロジスティクスや物流現場、日々報道されるニュースなどを直視したり斜に構えたりしてビジネスや社会生活のヒント、情報をちりばめます。

 2月14日のLNEWSで山崎製パンの物流改善の記事を見かけました。

 http://www.lnews.jp/2011/02/39681.html


 同社では従来は1日3回配送を行っていたのを朝夕の2回配送への切り替えを行いました。そのために常温、チルド、フローズンの3温度帯対応の配送車への切り替えを行いました。


 食品の温度帯別管理は食品衛生管理、品質鮮度管理には欠かせないものです。


 常温配送はともかく冷凍やチルドといった低温帯を保つにはかなりの設備投資も必要です。常温帯~スタートした食品会社が最初に乗り越えなければならないのがこの壁でしょう。


 配送車だけ整備してもチェーンを作り上げることはできません。拠点も冷凍や冷蔵状態にしなければなりません。さらには拠点から配送車への積み込み時点でも外気に触れることなく温度上昇を防ぐようにしなければなりません。


 冷凍、チルド専門から出発した会社ではそれが当たり前になっているので、個のコスト上昇要因にも対処が行われているといえます。


 常温帯業態からの低温帯業態への参入にはかなりの研究も必要でしたでしょう。


 その上で3温度帯配送車への切り替えが考えられたものでしょう。


 常温は普通車、チルド、フローズンは低温車と別々に走らせていたコース組みが一つにまとめられます。これだけでも全体の走行距離が抑えられます。さらには配送回数の削減効果で時間問題、すなわちリードタイムの長時間化があります。長時間配送が可能なことにより可能な限り積載率もアップすることが可能です。


 このように物流改善が進むということです。


 なんとか衛生管理、品質管理をクリアし常温帯から出発した企業の全温度帯取り扱いへの挑戦を成功させてもらいたいものです。


今日のキーワード

”3温度帯物流技術向上は食品企業の大きな課題”