キーワード「シナジー」 | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 12月8日に発表された三菱ケミカルホールディングスの中期経営計画(APTSIS15)、キーワードの一つに「シナジー」という言葉がありました。

 関連する金額として次のように記しています。ケミカル関係の事業シナジーとともに、コストシナジーとして物流、購買、IT、R&D部門について、2011年度から2012年度までの2年間で60億円、2013年度から2015年度の3年間でさらに220億円を創出する、としている。コストシナジーでは5年間で280億円。事業シナジーでの150億円と合わせ、シナジー全体では2015年度までの累計で430億円を創出することになります。

 「シナジー」は一般的に相乗効果を意味します。例えばAの事業が100、Bの事業が100とした時、それをまとめて200というよりもそれを大きく上回る効果250、300、400という成果が出ることを指します。

 三菱ケミカルホールディングスのコスト&RD部門では次のような検討項目を挙げています。
 

 購買部門;設備(資材)調達機能:一元化による集中購買化
 物流部門;グループ内の物流網と拠点の集約
 IT部門;基幹システム統合による効率化及びアプリケーション共通化による合理化
 R&D部門;関連する技術の補完と基盤技術の相互有効活用。要因、インフラの最適化

 ロジスティクス視点からは、この「シナジー」というキーワードが強く響いて聞こえます。

 企業組織が一体として動かなければロジスティクスはまともにかなわないのです。すなわち「全体最適」を念頭に各組織が活動しなければ機能しないのです。

 逆に各組織が「全体最適」のもとにあたりまえのように個々の活動を行う時にこそ①部門の力の何倍もの効果が発現するのです。

 「シナジー」という何か遠く向こうのもののような言葉ですが、現実には組織目標として大きなテーマなのです。

 なお、三菱ケミカルホールディングスの中期経営計画の参考資料は次のところでご覧下さい。
 http://www.mitsubishichem-hd.co.jp/ir/pdf/20101208-1.pdf

今日のキーワード
”シナジーを起こす”