高速道路無料化実験3カ月状況まとめ | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 国土交通省の無料化実験、国土交通省のまとめた3カ月状況はおおむね次のような内容です。


『各交通モードの状況』

●高速道路の状況

 実験区間の交通量は約2倍に増加
 ※無料区間だけではなく、無料・有料を跨ぐ利用も1.5倍に増加
 ※実験区間では短トリップが増加し、平均利用距離は2割減少

●一般道路

 並行一般道の交通量は約2割減少

●他の交通機関

 短期のトレンドでは、マクロとして、実験開始前後で大きな変動はみられない
 ※個別にみた場合、高速バスについて前年を下回り、

    かつ実験前より減少傾向の路線の割合が比較的大きい状況
    →1引き続き、中長期的なトレンドを注視していく


『渋滞の状況』

●高速道路

 平日は約1割、休日は約2割の区間で渋滞が発生
   渋滞の要因は実験区間端末の一般道との合流部が約半数
   高速道路本線ではサグ、トンネルなどのボトルネックで発生

●一般道路

 混雑時間が約6割減少し、大幅に速度が向上
   → 今後、地域の魅力的なまちづくりに大きく貢献することが期待


『物流』

●重要港湾・拠点空港の最寄ICの大型車交通量は約2.3倍に増加
● 実験区間を利用する大型車の利用頻度は約1.6倍に増加、利用距離は約1.3倍に増加
   ※面的に実験を行っている地域では、無料化実験方面への利用が大幅に増加


『観光』

● 無料化区間IC周辺や地域の取組みを行っている施設では入り込み客数が増加
    → 一方、その他の実験沿線施設では、平日に減少傾向
●実験区間のSA・PAの売上げは約1.2倍に増加
   →各地域において、SA・PAの活用やICの増設も含め、交通の流れの変化を踏まえた活性化の取組みを検討する必要


 以上がとりまとめの骨子部分です。


 さらに都道府県にヒアリングをかけた報告も発表されています。

 一般道路の渋滞緩和があるがあるが経済全体には波及していないととらえるところが多いようです。


 さらに今後の実験でどんな結果を得られるでしょうか?


国土交通省報告

http://www.mlit.go.jp/common/000128259.pdf


今日のキーワード

”社会実験は方向を決める重要用手掛かりのひとつ”