3PL調査を見る前に | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

ロジスティクスや物流現場、日々報道されるニュースなどを直視したり斜に構えたりしてビジネスや社会生活のヒント、情報をちりばめます。

 我が国で「3PL」という言葉を聞くようになった1990年代から年を経て、その言葉はあたりまえのように使われるようになりました。その実態は米国などから学び、定義や概念が論議されたころからはずいぶん広く適用されるようになってきたとも言えます。つまり自称、3PL業者と称するので十分ともいえます。


 ロ ジスティクスをサードパーティ、すなわち第三者が実施するのが3 P Lとするならばいろいろな考え方があっても不思議でないとも言えるのです。


 ファーストパーティをサプライヤー( 製造業)、セカンドパーティをバイヤー( 卸売業、小売業など)と位置づけ、サードパーティとは、サプライヤーでもバイヤーでもない、商流( 売買契約)の当事者以外の第三者を指
すとする考え方が一つにあります。つまりはモノの所有権を持たないものをサードパーティというのでしょう。


 これに対しファーストパーティを荷主企業( 製造業、卸売業、小売業)、セカンドパーティを物流事業者( トラック運送事業者や倉庫事業者)と位置づけ、荷主でも物流事業者でもない第三者が物流業務を代行することが3 P Lとする考え方です。


 この二つの考え方を比べてみればわかることがあります。


 一つ目の昇竜の当事者以外の第三者を指す考え方では「ロジスティクスを自社で担うのでなくアウトソーシングをする」というのを指すことになります。


 二つ目の方は足回りや情報処理などの現業はプロパー業者、そのとりまとめ役を担当するのがサードパーティとなります。


 当初の考え方自体はいろいろの考え方があっても不思議ではありません。


 現在、国土交通省などが採用している考え方はもう少し柔軟な考え方になっています。昨日、同省から発表された「3PL事業の促進のための施策の検証と今後の促進に関する調査」報告書に書かれているものです。http://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu02_hh_000024.html


 「荷主企業に代わって、物流事業者等が最も効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築について包括的に受託し、実施すること」とされています。


 この考え方では自社の足を使ってもいいがあたかも荷主企業の物流戦略や運営をその一員として行っているということになります。


 十数年で日本的3PLの考え方ができ上ってきたということでしょう。


 そして3PLを担う企業の教育も外部教育、自社教育など積極的に続けられさらに力をつけつつあるというのが現状と思われます。


 国土交通省報道発表資料http://www.mlit.go.jp/common/000116831.pdf

 報告書http://www.mlit.go.jp/common/000116831.pdf


今日のキーワード

”3PLをキーワードにロジスティクスを考える”