セイコーエプソンのレポートから | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 今日はセイコーエプソンの「サスティナビリティーレポート」から物流面でのCO2排出量削減活動部分を参考にさせていただきます。


 同レポート2008http://www.epson.jp/csr/sr_html/2009/pdf/19.pdf でCO2排出量2007年比8.7%減、15万7900トンーCO2(国内外合算)であったと記されています。


 事務機などの業種では他にもリコーなど環境への取り組みに熱心な企業が多く見られます。セイコーエプソンの活動も注目に値すると思います。


 削減への取り組みにはいくつかあるようです。


 目標の一つとして「売上高原単位の1%削減」を掲げています。これは物量の多い少ないにかかわらず比較できる「原単位」ということがポイントなのでしょう。この数値によって総量だけでなく、より細かい削減効果を見ることができます。今回のレポートでは国内輸送によるCO2排出量1.1万トン、07年比8.7%削減です。海外部門でも1.7万トンの削減です。


 実施した施策として次のようなものが列記されていました。他のところでも対応する指針になると思いますので原文のまま下線列記させていただきます。


 1.全国の商品物流拠点を7ヵ所から5ヵ所に集約し、横持ち輸送※1 の物量を削減
 2. 輸送効率を向上させるための施策の実施
 ●輸送距離を短縮できるように社内の業務運用を改善
 ●輸送物量に応じた適正な輸送方法への見直しを実施
   ( 積み合わせ輸送や混載便の利用)
 ●一部着荷主との連携により輸送頻度の見直しを実施
 3.モーダルシフトの推進
   ※1. 自社内の工場・倉庫間など、本来の届け先(お客様)以外への荷物の輸送


 拠点集約、モーダルシフト、輸配送の実施方法の工夫など一般的でありながら効果の高い方法に取り組んでいることが分かります。


 海外部門では航空機から船便への切り替えなどの対策を行っているようです。


 もうひとつ、輸送用台車の開発を特筆しています。複合輸送機の輸送に使うフレキシブル台車です。以前のような輸送用梱包資材を使う必要がなくなります。むだな資源を使わない取り組みです。


 物流の環境負荷低減活動、別に特殊な方法ではありません。各社の取り組みを参考に実施するだけで効果は大きいと言えます。


 セイコーエプソンさんの取り組みも一つの参考になるのでないでしょうか。


今日のキーワード

”物流面の環境負荷低減活動はオーソドックスパターンで効果大”