薬剤投与のミスでこんな事例が記されています。類似名称に端を発するミスです。
医師が投与を考えたのは抗炎症剤の「サクシゾン」です。実際に投与されたのが筋弛緩剤の「サクシン」。
いくつかのミスに至るチェック箇所を通り抜けたようです。
医師が「サクシゾン」の投与を考え電子カルテに入力する時点の問題です。この病院に登録されている薬にはこの薬はありません。しかし、似た名前の薬があったようです。筋弛緩剤「サクシン」です。医師が薬を検索した時に入力したのが頭から3文字「サクシ」です。「サクシゾン」はこの病院では扱っていませんので当然表示はされていません。「サクシン」が表示されていたはずです・医師はこれを「サクシゾン」と勘違いしたようです。「サクシ」だけで「サクシゾン」との思いこみがあります。
薬剤師の段階は200gという量が伝えられたので何の疑問も生じませんでした。量が多いか少ないかで不思議に思うレベルが違うようです。なんの不思議さも感じなかったようです。
次は投与する看護師です。点滴するのですから不思議さはあったのでしょう。「本当にサクシンでいいのですか?」と口頭で確認の質問をしています。医師は「20分でお願いします」と答えました。
ミスが起こる時はいくつかのチェック箇所をすり抜けてしまいます。
常にミスは「起こるもの」と自分の行動にも注意をしておくことが必要です。もう一つは、おこらないしくみをどう作るかです。パソコンの登録の仕方もそうでしょう。口頭確認だけでいいのか、確実な伝達方法はなどいろいろな点にチェック箇所を設けておくことも必要でしょう。
類似名称はあたりまえのようにいくらでもあります。この事例は特殊なものではありません。自分の足元でも注意をしておきたいこととしてとらえたいと思います。
今日のキーワード
”ミスが絶対起こらない保証はない”