最初は見た目で感じたことからスタートしました。
○○の正品、不良品を検査判断しながら不良品を除き正品だけを袋詰めする工程です。
メンバー全員の作業をビデオ撮影しました。やるべこことはみんな同じです。一通り全員の作業を見ました。作業の早い遅いがあるのは誰もが認めるところでした。これで検査ができるのかなというほど検査には時間をかけていない人もいます。10個単位で袋詰めします。ひとつひとつの検査をした時に10個を重ねるのですが後で袋詰めがやりやすいようにときちんと崩れないような重ね方をする人、とにかく早くと重ね方には何の配慮もしない方もいます。袋詰め用の袋を置く位置もそれぞれの方で違うようです。
とりあえずビデオを見た感想を話し合ってもらいます。
みんな自分がやっている姿を見て自分ながらこうやっているのかと少し気恥ずかしい気持ちも持っているようです。他の人のやっていることで感心したり疑問に思うこともあります。
ここでもう一度私たちのやるべきことは何かを確認していただきます。「不良品はすべて発見し取り除く」「袋詰めをしっかりと仕上げる」が第一義としてあげられます。さらに「確実な仕事を早く仕上げる(同じ時間に多くの量をこなす)」もやるべきこととしてあげられました。
そこで第一義の「確実にしっかりと」が担保されることを前提に第二の「早く」をどうすればいいのかを話し合ってもらいます。さっき見たままの「感じ」をメモしておきましたのでそれぞれをもう一度ビデオ検証してもらいます。注意深く見るとそれぞれの方の手の動き、目の動きなど違うのが分かります。それぞれのポイント手を伸ばしたり引き寄せたり結んだりすることの動き自体はそう違わないようです。
ところが動作と動作の切り替え時や手の動かす距離、複雑な動きかシンプルな動きかなどで差があるようです。
そこで動作に注目し時間計測します。そうです、データ取りです。データによって確証を得ることになりました。
ここまでくれば、みんなで最も確実に仕上げる仕事のやり方を組み立てることができます。部材の置き方、置く位置、これだけで動作が変わることが想定できます。距離は短く、黄砂などはしないような直線位置などです。あとは従来のなれているやり方との戦いです。無意識に動かしていたのを意識してうごかさなければなりません。しばらくやってみると何となくこちらの方が楽であることがわかります。新しいやり方に慣れてくるにはそう時間を要しません。
新しいやり方でこの部署の能力が大幅にアップしたことはいうまでもありません。
今日のキーワード
“感じたことを大切に、データで深める”