入り口の違い、コンセプトの違い | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 仮にコンビニエンスストア、「気軽に立ち寄れる店」と「気軽に買える店」と微妙に違ったコンセプト表現で設計開発されるとします。

 「手軽に~る店」の「~」の部分だけの違いです。しかし、できあがる店づくりは変わってきます。前者は店の立地や入りやすさを主眼に周辺環境、店へのバリアの除去をどうするかを考えそして品揃えも立地に応じたものをそろえていくといった手順を踏みます。後者はすぐ手の届く商品をそろえたり何となく親近感を覚える店の雰囲気をつくることから入ります。多分、できあがりや店の運営方針も違ってくるのでないでしょうか。

 職場のカイゼン活動でも同じようなことが考えられます。

 「ムダな動きを少なくし続ける職場」というのと「楽なやり方を追い求める職場」というコンセプト、これも微妙に違うのでないでしょうか。

 いずれも人間の機能活動には違いありません。

 前者は機能活動に重点を置いた表現であり後者は人の感じ方も交えた表現です。

 やる気や活性化をしたい時、この微妙な違いに成功の鍵があります。特にパートさんの多い現場においては「感じ方」の部分をコンセプトに含んでいる方が入りやすいのでないでしょうか。

 「何メートルの距離、何センチの手の動きを短く」というよりも「歩きを少なくすれば」や「離れたところまで手をのばさなくてもいいようにするには」といった「楽に」という部分、すなわち「感じ方」をもコンセプトとして含めたところから入っていくのが有効になることが多いのでないでしょうか。

 ややもすれば監理者層はダイレクトな効果を求め表現もストレートになりがちですが人間の心理面をも含めてマネジメントを考えることも必要でしょう。

 今日のキーワード

“人は気持ちで動くもの”