食堂での話。
「引っ込み思案はなおらないんですかね~」
会話の合間にふと出た言葉。
その方はず~っとそのことにコンプレックスを感じていたようです。ベテランであるにもかかわらず職場のみんなに「こうしろ、ああしろ」とは言えないタイプなのです。
いつもならもう一人の方と一緒に食事をしているのですがこの日は一人だけです。もう一人の方はこの方とは正反対で思ったことをどんどん言える方です。この二人がいつも食堂では一緒なのでおもしろい組み合わせだなとは思っていたのですが、たまたま席が空いていたので私がそこに座ることになりました。
研修の場で思ったことを話して自分を表現することを体験していただいたことがあるのでそのことも思い出したようです。たまたま横に座った私に話しかけてくること自体、引っ込み思案を抜け出しているのですが・・・。
「あなたは優しい心を持っていますね。」
「え」
「いつも周りの人のことをおもんぱかっておられるのでないですか?」
「そうでしょうか?」
「私がこう言ったら相手の方にどんな影響を与えるのだろう、職場がどう動くのだろうなど心配が先にたっているのでないでしょうか?先にみんなのことを思っているのでしょう。」
「心配性かもしれません。でもずるいところがあるのかも。こんなことを言ったら“えらそうに”とか“ほうっといて”などと言われるのでないかまでを考えることがあるのですよ。」
「いつも言わないことに心地よさを求めているのですね~。でもこの前の研修会でみんなと好き勝手に話をしてみて自分をさらけ出した時にも心地よさを感じたのでないですか?」
「ああ、あの時はすごくすっきりしました。自分の言ったことを受け入れてもらったとき嬉しかったですし、ほかの方の話も真剣に聞きました。」
「それなんじゃないでしょうか。自分の言っていることが間違っていることもあります。でもフランクに話していたらお互い対等で受け入れてくれる袋も大きくふくらんでくるものですよ。特にあなたでしたら優しい性格ですからほかの方に比べて信頼も厚いと思いますよ。」
「そうですね。ありがとうございます。」
この方の性格は変わることはありませんが職場での姿は少しずつかわっているようにも感じられてきました。
今日のキーワード
“自分の性格のいいところを評価して行動してみよう”