小売り業をお得意先とする物流現場では日々出荷数が変動するのは常識となっています。しかも、受注から納入までが短時間のことがほとんどです。
ここで問題になるのがいかに瞬発力を発揮するのかということです。
受注のあったものを出荷するだけですから生産現場のように「作りすぎのムダ」、いや、物流現場ですから出荷量を余分に準備してしまうという「余分に作業をしてしまうムダ」は心配ありません。しかし、受注量を時間内でこなすというやっかいな問題が横たわっています。
在庫問題、スペース問題もあるのですがここでは作業者に限って書いてみます。どんな受注にも対応できるように十分な作業者を確保し対応する方法もあります。この場合、実受注数が作業能力の三分の一、半分、四分の三など三分の二、半分、四分の一が必要のない余分な能力となります。作業者はワークシェアリングしてゆっくりと作業をするか余分な人は待機休憩しているかとなります。1日中、同じお得意先というのはありえないですから時間時間でそういう状況が変わっていきます。
仕事の総量を時間、時間で平準化して進めていくということはありえません。そこで、一人一人の仕事をどの時間帯も同一能力通りに進めていくことになります。
受注量にあわせた作業人員を投入していくのです。
これは大変な作業です。需要予測の仕事量予測版です。仕事の移動平均値、季節変動値、曜日変動値、特売情報、そして、時間帯別作業量予測がほぼ近い線でなされなければなりません。そして、時間帯別雇用計画が割り出され採用活動がされます。
瞬発力を出すということはここまでの準備がされないと単位当たりのコスト変動が大きくぶれてしまい非効率な物流活動となってしまうのです。
時間勝負の仕事は必要十分な能力準備でなく、できるだけ時間帯別必要最低限の能力に近づけるということが究極の目標になってきます。そしてセグメント別需要予測と密接に連動した活動であるといえるのでないでしょうか。
今日のキーワード
“綿密な予測がコスト最適に向かう”