訪問介護 | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

介護保険制度の理念でもある「要介護になっても在宅生活の継続」を実現するために訪問介護サービスは必須であると考えています。住み慣れた我が家で最後まで生活できれば安心といえます。訪問介護サービスの充実により「施設から在宅へ」「病院から在宅へ」という地域包括ケアが実現できます。

 

ただ現実は厳しく、訪問介護サービス事業所の倒産件数が昨年は過去最多となりました。倒産理由は「介護スタッフの確保が困難になってきた」というのが一番です。人気がない介護職ですが施設介護と比較して訪問介護職は給与が低いということも一因だと感じています。

 

介護サービスに関する介護報酬は施設介護より訪問介護のほうが低いということもあり給与も低くなっているのが現状です。設備が整った施設介護と比較してお客様のご自宅に訪問してサービス提供するというのは難しいと考えられます。常に1対1のサービスであることも緊張すると思います。

 

厳しい訪問介護事業ですが今回の介護報酬改定では訪問介護サービスについて基本報酬を下げるという改定結果となりました。物価高騰の影響から事業所運営が厳しくなっている現状でさらに報酬を下げるというのではスタッフの賃金アップどころか経営はさらに厳しくなっていくと危惧しています。

 

さらに働くスタッフも労働単価が下がるという評価は「自分のサービス価格が今より安くなる」というのは自信喪失にもなりかねないと思います。政府は企業に物価上昇を上回る賃金アップを要請していますが公定価格である介護報酬単価を下げるというのは賃金アップには逆行した政策であると感じています。

 

人気のない介護職ですがなくてはならないエッセンシャルワーカーであると思います。他産業並みの賃金を得ることができる介護報酬に設定して自信をもってお客様サービスに従事できるような制度にしていただきたいものですね。もう少し現場を見て働く人の心情を理解して政策を構築していただきたいものです。