「入居」と「入所」 | 向井幸一のブログ

向井幸一のブログ

高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

高齢者住宅・施設にお客様がご自宅から転居する場合に「入居」という表現をしているところと「入所」という表現をしているところがあります。若い世代であれば間違いなく「転居」「入居」という表現になると思います。住居の変更となるので「転居」「入居」という表現は適正な表現であると感じています。

 

一方で高齢者の住居変更については「転居」という表現を用いることは少なく「転居の挨拶状」についてもだす方が少ないと思います。高齢者施設では「入所」という表現になり「入所者」という呼称を用いているところが多いと感じています。どちらが正解ということはありませんが「入所」「出所」という表現には住宅事業者として違和感があります。

 

入所という表現を常用する施設は「保育所」「高齢者施設」「刑務所」等がありそれらには「住む」という概念がないと思います。住むための建物である「住宅」とは似ていますが目的が異なるものだと考えています。病院、施設に住みたいと考えている方は少ないと思います。そのため「住む」のではなく一時的な使用を目的として「入所」「入る」という表現になるのではないかと思います。

 

高齢者住宅、施設を見学にいく機会がありますがスタッフがお客様を「入居者」「入所者」のいずれで呼称しているかを確認すると「住宅」であるのか「施設」であるのかが何となく分かります。

 

高齢者には「住宅」「施設」とも需要があると感じています。ただお客様が求めるハード、ソフトには違いがあると思います。私自身は住宅に住みたいと願っています。もし自分だけでは生活の継続が困難になった場合には施設への入所もやむを得ないと感じています。

 

理想は高齢者が住みやすい住宅に転居して自立が困難になっても手助けして居住を継続することができて終の棲家となる住宅が一番望ましいと考えています。そのような住宅が増えて選択肢が拡大していくといいですね。