入居一時金 | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

首都圏で37か所の有料老人ホームを運営する事業者が民事再生手続きを申請しました。負債総額は54億円にもなるようですが不適切な決算を繰り返して黒字にみせることにより融資を受けていたようです。

さらに創業者は年間3億円前後の報酬を8年にわたり受取っていたとのことです。

 

入居一時金を売上計上することにより売上を増やしていたようですが入居一時金は預り金であり将来の返金に備えておくべきお金です。途中で退去された方に返金しなくてはなりませんが役員報酬に回していたために返金できない高齢者もたくさんいらっしゃるようです。有料老人ホームで多額の入居一時金が必要なところはありますが預り金であることを自覚して保全していくことが大切だと思います。

 

そもそも将来の利用料を前払いしてもらう事業スキームはいかがなものかなと疑問に感じています。行政の各種委員会においても入居一時金は禁止するべきと申し上げていますが一部の委員の強い主張により現在でも続いている制度だと思います。利用料、賃料は毎月払いにしておいたほうが健全だと思いますが中々廃止にはなりませんね

 

高齢者の皆様は将来の安心を買っているつもりで大金を支払っているのではないかと思います。業界の健全化のためにも禁止とするべきではと感じています。既存の有料老人ホームで入居一時金をいただいているものも一旦お返しして月払いで運営したほうがいいのかなと思っています。

 

大儲けできる事業ではないので役員報酬も年3億円というのは常識外れかなと思います。高齢者の皆様が安心して生活できることを第一に管理運営をしていただきたいものですね。