未来投資会議 | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

政府は労働人口減少に対応して高齢者の労働参加を促すために未来投資会議を開催しています。赤字が続く年金制度を維持可能にするために70歳まで働いて年金保険料を支払う側になってもらい年金財政の健全化を図ろうとしています。ただ疑問に感じることがいくつかあります。

 

ほんの前に年金保険料率を引き上げて「100年安心の年金制度ができた」と言っていましたが100年どころか10年も経たないうちに年金制度の見直しが必要と言っています。人口動態はここ10年で大きな変動はなかったので何が原因で100年安心と言っていた年金制度の見直しが必要なのか分かりません。

 

高齢者が働き続けることができる社会の構築はいいことだと思いますが定年制度を持続することには整合性がないと感じています。年齢による一方的な解雇である定年制度は諸外国では既に廃止されており法律で禁止されている国もあります。定年制度を廃止して自由に仕事することができる社会にすることが優先するような気がします。

 

長寿化が進んで平均寿命は延びていますが健康寿命は男性では71歳です。また現在の高齢者は元気な方が多いですが今後も元気な高齢者ばかりになるか不透明だと思います。現在の高齢者は幼少期に粗食で自然食品を多く摂取して健康的でしたが最近では幼少期に合成保存料等の化合物を多く摂取しています。

 

以前は成人病と評されていた病が現在では子供にも多く発症するようになり名称も生活習慣病に変更されました。医学の進歩により寿命は延びているかもしれませんが元気で働くことができる年齢が今後も順調に延びるということは考えにくいですね。

 

若いうちから健康管理がしっかりして高齢期にも元気で生活できる人もいる反面、そうではない方もいると思います。定年制度で一律に年齢で区分するのではなく個人の状況により現役生活を永く続ける方、リタイアして老後の生活を送る方等様々な生き方を選択できるような社会を目指したほうがいいのではないかと考えています。

 

名称だけ変更して小手先の改革ではなく人口動態を見据えて若い世代の皆様も将来が安心できるようなビジョンを明示していただきたいものですね。本当の「100年安心の社会保障制度」を目指していただきたいと願っています。