高齢者住宅の生い立ち | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

急激に増加したサービス付き高齢者向け住宅ですが介護・医療保険サービスの「囲い込み」と「過剰サービス」が話題になっています。結果として集合住宅居住者に対する医療・介護保険報酬の減算が実施されるようになりました。

 

サービス付き高齢者向け住宅の原型は15年くらい前に施行された「高齢者居住の安定確保に関する法律」でした。住まいに対する政策でしたので国交省所管で始まりました。当時は高齢者の賃貸住宅への入居は貸主が拒否するという時代でしたので広く高齢者の入居を認めてもらいたいと「高齢者円滑入居登録住宅」制度からスタートしました。

 

単なる登録制度でしたので制限はなく広く登録してもらおうという仕組みでした。しかし「高齢者専用賃貸住宅」制度に改定したころに厚労省からの申入れにより共同所管になりました。厚労省の共同所管になってから住まいより施設のような雰囲気が強くなってきたと感じています。厚労省が所管するのは元々が施設であったことからサ高住も住まいより施設に近くなってしまったのかなと思います。

 

高齢者施設は必要だと思いますが同時に高齢者住宅はもっと必要であると思っています。日課時限に従って生活する施設ではなく入居者が自由に生活できる住まいも大切だと思います。要介護者より自立している方のほうが多いのが高齢者です。自立した生活を一日でも永く継続できるような住宅が高齢者住宅の原点であったと思います。

 

高齢者が快適に住まうことができる住宅が増えるといいですね。