特養の空きベット | 向井幸一のブログ

向井幸一のブログ

高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

保育所と同様に不足が問題となっている特養ですが厚労省の調査によると26%に空きベットがあるとの結果でした。待機者が52万人いるとされていますが現実は空きがあるという結果です。特に政令指定都市では31%の特養に空きベットがあるそうです。

 

空きベットの原因は1位は「職員が不足しているので受入れができない」というもので2位は「申込みが少ない」という結果でした。都市部では職員不足、地方では申込者不足が原因とのことです。保育所では施設そのものが不足していますが特養では施設より働く人が不足しているというのが現実のようです。

 

介護職は収入が低いために募集しても集まらない、採用できても定着率が低いということでスタッフ不足は慢性的になっています。新規開設にはスタッフ確保ができるかどうか市町村は精査する必要があると指摘しています。

 

スタッフ不足の原因は給与の低さが第一だと思います。介護事業所にとって収入は介護報酬のみなので介護報酬が上がらない限りスタッフに支払われる給与も改善はできないと感じています。人件費の低さを改善しないで人材確保は難しいと感じています。

 

外国人の介護職で対応しようとしていますが人件費が低い外国人を増やすことでは抜本的な対策にはならないような気がします。介護は保険制度なので保険料を支払っている人たちが要介護になった場合にはサービスを受けることができなければ保険制度は崩壊していると思います。

 

持続可能な保険制度を維持するためにも介護スタッフの待遇改善は避けて通ることはできないと思います。箱物よりソフトサービスが不足しているのが現実だと思っています。

税金の無駄遣いを排除して身を切る改革を本気で実行しなければ現状打破はできないのではないかと思います。

 

介護離職ゼロを実現すると主張していますが空きベットがあっても入所できないという現実が改善できない限り絵に描いた餅、保険あってサービスなしという現状の改善は難しいのかなと感じています。

 

机上での計算ばかりでなく介護の現場を体験して働く人たちの実態を知って制度の再設計に本気で取組んでいただきたいものですね。