サブリース | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

オーナーから賃貸住宅を一括で借りて又貸しにより事業を進めている大手賃貸住宅企業が30年の一括借上げ契約であったにも関わらず6年目に借上げ賃料を15%程度引き下げたことに対して引き下がられた賃料の返還を請求する訴訟が提起されました。同社はテレビコマーシャルでも有名な企業ですが同様な理由で100人以上のオーナーが請求訴訟を予定しているとのことです。

 

サブリース契約締結の際に同社は

・担当者は30年間借上げ賃料は固定です

・契約書では当初10年間は借上げ賃料は固定

とされていましたが不況を理由に6年目での賃料引き下げは納得できないという理由です。

 

サブリース契約に関する借上げ賃料引下げは大手・中小企業を問わず全国で発生しています。高齢者住宅についてもサブリース契約の借上げ賃料の引下げ要求は全国で散見されます。借金をして賃貸住宅を建設したオーナーには死活問題といえます。

 

ただサブリース契約の借上げ賃料引下げはいつでも行えるというのが最高裁判例です。2004年の判例ですが「サブリース契約は賃貸借契約の一態様である」という判断です。賃貸借契約では借主は減額請求は可能となっていますのでサブリース事業者も引下げ要求は可能になります。

 

賃料引下げ要求に応じることができない場合には合意解約するというのが適正であるという判断です。トラブルが続いたために国交省では昨年9月にサブリース事業者に対して契約の際に賃料減額の可能性があることを説明して書面にて契約するよう通達を発しています。

 

デフレ環境で少子化により人口が減少していく現状では賃料は市場原理により下がって当然であり固定することは不可能という判断であると思います。オーナー様は事業者の提案で「30年一括借上げで安心です」という文言だけで契約することがないようにしていただきたいですね。