空き家と高齢者住宅 | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

人口減少社会になって空き家が増えてきました。全国では800万戸を超える空き家があり防犯・防火上の問題、放置による街並みの崩壊等が問題視されて「空き家特措法」が施行される事態になりました。日本では戦後から1964年まで住宅数より世帯数が多く住宅不足でしたが以後は世帯数より住宅数が多くなって現在に至っています。


古くなった空き家を取り壊すことを進めると同時に活用できる空き家は高齢者住宅・施設、保育所等に転用することを国は勧めています。空き家活用の高齢者住宅には補助金が用意されています。今後は入居者に対して家賃補助も予定されています。人口が減り続けて2100年には5,000万人を切ると予想されていますので新築住宅より既存住宅を活用するという発想は正しいと思います。


高齢者住宅・施設、保育所とも不足が顕著であり増え続ける空き家を活用して供給することは理に適っていると思います。ただ共通していることは箱物を用意すれば解決するという問題ではない点だといえます。どちらも見守り等のソフトサービスが必須であること、有資格者による専門的なサービスが求められることだと思います。


ソフトサービスを提供する人は生産人口が減少していますので確保することがますます難しくなっていきます。地域社会のつながりを強くして見守りをしていくことも必要になると思います。

一方では一億総活躍社会を進めるために保育・介護は家族で負担するのではなく第三者に任せて仕事を優先することを政府は勧めています。


箱物は新築・改装により準備できると思いますがマンパワーの確保なくして成立はしないと思います。サービスを提供する介護士・保育士の待遇改善についてもう少し本腰をいれていただきたいものですね。現場を知らない人ばかりで机上で考えた政策では実現は困難だと考えています。将来のビジョンが見えるものにならなければ個人消費は低迷を続けて経済再生は不可能であると思います。


老若男女全ての人が生きがいを感じながら生活できる税・社会保障制度を構築していただきたいと願っています。