住宅事業者と介護事業者 | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

高齢者住宅には介護事業所等が併設されている住宅が多くなっています。お客様相談窓口に寄せられるご相談には共通点があると思います。クレーム、トラブルの原因が住宅事業者としてのものか介護事業者としてのものかはっきりしないという共通点があると感じています。


新規入居の際に「併設の介護事業所を利用したいただきます」「従来利用していたデイサービスを変更してください」「ケアマネは併設事業所のケアマネを利用していただいたい」等の囲い込みと思われるような相談が増えています。


相談者にヒアリングするとこのような対応をした事業者が住宅事業者なのか介護事業者なのかよく分からないことが多いですが事業者からは住宅事業者として利用をお勧めしただけという抗弁が多くみられます。ケアマネ、介護事業者等が「当社のサービス以外は利用できません」と主張すれば在宅介護の基本である自由なサービス選択を阻害する行為に該当します。


住宅事業者として併設事業所の利用を入居条件とした場合には賃貸借契約のセット販売に該当するおそれがあり消費者契約法違反に該当することが考えられます。賃貸入居するには特定の商品・サービスを強制することはできないですね。


結論としていずれの事業者の立場であっても介護事業所の指定を入居条件にすることはできないことになります。住宅管理者として介護事業所を推薦しただけという返答が多いですが賃貸借契約締結の条件にすることはできないというのが正しいですね。


賃貸住宅事業、介護事業とも専門性が高い事業なのでそれぞれの有資格者・専門家が対応することが消費者保護につながるのではないかと思います。

高齢期の住替えには決意とエネルギーを必要とします。住替えて良かったと思っていただくことができるよう正しく説明・管理・運営を心掛けていただきたいですね。