2000年に従来の家族介護から「介護の社会化」を目指して介護保険制度が開始になりました。
措置から保険へと移行して施される介護から権利としての介護サービスを受けることができるようになると期待されていました。
しかしながら現実は「老老介護」「介護疲れ」「虐待」等の家族間での事件・事故は増え続けています。
認知症高齢者による交通機関での事故は家族に損害賠償という課題を残しています。
施設入所は資格の厳格化により要介護度が高くなければ入所できないことになってきました。
サービス利用時の自己負担額は1割から1割へと増える方もいらっしゃいます。
要支援者については介護保険サービスではなく地域支援事業へと移行することになりました。
今後は要介護1,2の方についても地域支援事業への移行を検討しています。
介護保険制度が開始になった際の謳い文句であった「介護の社会化」という理念はどこかにいってしまったようです。理念が実現されていれば各種事象は減少しているはずですし高齢者に限らず若い世代には将来に対する安心感が拡大すると思います。
しかし現実は高齢者は不安を抱え若い世代は年金・医療・介護について期待することがほとんどなくなっているような気さえします。
人口構造、経済状況、価値観は常に変化しますが老いることは不変です。措置から保険へとせっかく生まれた新しい制度であればもっと使いやすく、便利になったと感じることができる制度であって欲しいと思います。
安心して年を重ねることができる社会になってもらいたいですね。