市町村の介護職確保策 | 向井幸一のブログ

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鳥取県日南町では介護福祉士資格取得を目指す専門学校生に奨学金最大で200万円を予算化したとのことです。町内の介護事業所ではスタッフ不足から閉鎖、募集停止等に追い込まれているための方策とのことです。卒業後に資格を取得して町内の介護事業所で4年以上働いた場合には奨学金の返済が不要になるという制度です。


高齢化と過疎化が同時に進行している地方都市の将来像をみているような気がします。全国の市町村のうちこのような状況になると予測されている自治体は半分近くになっています。

日南町の取組は日本初であり実績により他の市町村でも導入を検討するのではないかと思います。

労働人口の減少と都市への集中は避けて通ることができないのかもしれないですね。


奨学金で有資格者を増やす政策は対処療法としては効果があるかもしれませんが根本的な介護職不足に対しては効果は薄いのではないかと思います。4年間は町内で働いて奨学金の返済義務はなくなりますがその後は転職するかもしれません。他の産業との処遇に差があればやはり転職すると思います。

現状の介護職の平均所得は他の給与所得者より年収ベースで約120万円少ないというのが実態です。

公務員の所得と比較すると半分しかないというのが現実です。


少子化により中長期的に労働力の奪い合いになることも予測されます。

仕事のやりがい、生きがいも重要ですがベースには生活していくことができる安定した収入が必要だと思います。少なくとも他の産業で働いている方々と同等な処遇がなければ継続は難しいのではないかと感じています。


公的介護保険サービスである以上はサービス提供はできませんということがあってはならないと思います。介護の現場で働く方々が安心して自信と誇りをもって日々を過ごせるような保険制度に改革していただきたいと思います。

少子化、高齢化、都市への事業所・人口集中等の問題がありますが根本は一つであると思います。

老若男女が安心して暮らすことができる国造りをして欲しいですね。