今回から3回に分けて
最近気になることに関して申し上げます。
次のような例を想像してみましょう。
ある日、同じ職場に勤めるAさんとBさんが、
それぞれ順番に役員室に呼び出され、
重役から「おい、君。日本の1人当たりGDPと
その世界順位を教えて呉れ給へ」と言われました。
最初に呼ばれたAさんは、首をひねって暫時黙考。
自分の記憶の抽斗から、「1人当たりはおよそ350万円、
世界順位は10位前後だったと思います」と回答しました。
次に呼ばれて同様の質問を受けたBさんは
「へいへい、少々お待ちくださいませ」といって
スツからスマートフォーンを取り出し、検索エンジンに
「内閣府 国民経済計算」とぶち込みました。
そして、内閣府のページで「1人当たり名目GDP」および
「GDPの国際比較」を矢継ぎ早にタップし、
「最新の2012年で、1人当たり名目GDPは371万円、
OECD諸国の中では10位でございます」と答えました。
さて、AさんとBさんでは、どちらが重役から
高い評価を得られたでしょうか。
一長一短がありますね。
Aさんは、数字にやや正確性を欠きますが、
抜群の記憶力を披露することができました。
Bさんは、重役の前でケータイをいじったという点は
ややマイナスイメージですが、Aさんに劣らぬ
スピードで正確な数字をはじきだしました。
さて、これまではどうか分かりませんが、
これからの時代、求められる人材はBさんですよね。
何が言いたいかと申しますと、
どうでも良い情報を暗記するスキルよりも
情報の記憶はパソコンにまかせて(=記憶の外注)、
その情報に即座にアクセスする方法を確保するスキルの
重要性が増しているのではないかということです。
その背景として①ICTの急速な発達と
②役員や幹部のITリテラシーの向上が挙げられます。
私の周りにも、取引先の住所や電話番号、
代表者および役員の名前や年齢や略歴、過去3年分の
財務諸表などをそらんじている猛者がいますが、
これからの時代は、このような非効率的な記憶作業は
ネットやクラウドを使って外注し、より生産的な作業に
専念することができる人材が求められるのでしょう。
とはいえ、
「無人島で電源や電波がない状況になったら…」
「災害などでバックアップデータが烏有に帰したら…」
といった懸念は払しょくできないですよね。
そのため、「さぁ、今日から積極的に記憶を外注しよう」と
考える人は今のところ少数派だと思います。
でも、ICTの発展の速度を勘案すると、
地球の破滅という最悪のケースが訪れない限り、
日時や環境を問わず安全・確実に欲しいデータに
アクセスできる日が近いうちに訪れると思いますよ。
次回は、このことを教育、そして試験の分野に
敷衍して考えましょう。
それでは

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