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非常に非常に短いお話です。
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また、本文途中に出てくる歌詞は中森明菜〈ドラマティック・エアポート〉の一部を抜粋しました。
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なにげない、ある日のワン・シーン
〜 ドラマティック・エアポート ~
by 中西京介
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《ダーリンは芸能人》二次創作短編
スタプロFC限定感謝祭の会場を出てすぐ、近くのICから首都高速にのる。
時間は午後10時。
海尋が乗る沖縄からの飛行機が羽田空港に着陸するまであと1時間だ。
「間に合うかな」
羽田空港駐車場への予想到着時間が22時30分とカーナビが示すのを見てそう独り言つ。
と、かけていたカーレディオから流れてきたのは、少し前に彼女が「好きだけど、ちょっと嫌いだけど、でもやっぱり好き」と言っていた曲。
カラオケに行くとよく歌っている。
『霧雨 濡れていたエアポート
フロントガラスの彼方に
あなたを連れてくる翼
ぼんやりと滲んでいた 雨のせいなの?』
オレがL.A.から帰ってきた日のことを思い出すらしい。
あの時は向こうに行きっぱなしで連絡せずにいた。
それには理由があったのだけど、それによって彼女を悲しませたことは確かだった。
そんなことを思い出しながら空港中央ICを下りて、第二ターミナルに近い駐車場へと向かう。
その時、ちょうどどこかからの飛行機が滑走路に入ってくる様子が見えた。
時間的に海尋が乗っているものとは違うようだけど。
それでも到着ロビーで出迎えるためにはちょっと急がないとね。
午後11時を過ぎて到着する飛行機の搭乗者を迎えに来た人は疎らで、到着ロビーは少し閑散としていた。
早く会いたい気持ちを抑えて待つこと10分。
ガラス扉の向こうに見えたのは。
「海尋……!」
「…京介くん!」
キャリーケースを引っ張りながら駆けてくる愛しいカノジョ。
1週間ぶりの再会。
両手を広げて、飛び込んでくる海尋を受け止めた。
「ただいま!」
「おかえり」
海尋がいれば他に何もいらない。
彼女の笑顔を見て、オレは心の底からそう思うのだった―――。
〜 end 〜