注意 当、二次創作小説(シナリオ)を初めて読まれる方は先にこちらをごらんください。
2014/11
南の島にて with 三池亮太⑥
~ Southern Island's requiem ~
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《ダーリンは芸能人》二次創作短編
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その日の反省会も終わり、異国の夜の街に繰り出した京介は、どこかでナンパしたと思われる女たちを従えながら歩いていた。
と、面白おかしくメンバーの話をしている最中、ふと目の端に義人が一人で歩いているのが目に入る。
(めっずらしー)
普段なら解散後はほとんどホテルで静かに読書している義人が一人で夜の街を歩いてる。
そのことに興味津々といった京介は、女たちを適当にあしらって別れ、彼の後をついていくことにした。
義人は後ろに京介がいることに気付かないだけでなく、人けのない路地を迷いもなく歩いていく。
「アイツ…この島に来たの、初めてって言ってなかったか?」
そんな疑問を持たせるほどしっかりとした足取りだ。
そうして行き着いた先は―――とある狭小なビーチだった。
街の灯りや喧騒から離れたその場所は暗く静かだ。
加えて、何となく薄気味悪い感じもする。
『暗い』というより『冥い』と言った方がぴったりなのかもしれない。
そして、京介は気付かなかったのだが、そこは先日海尋が男性の幻を見た断崖絶壁とかなり似通っている場所で―――。
京介はこのまま見て見ぬふりをして一人戻ることも考えたが、何か事件にでもなったらさすがに後味が悪いと思い、とりあえず声を掛けることにした。
「義人ぉ、何してんだよ、こんなところーーー」
「!!!」
「…っっ!?!?」
ばっと振り向いた義人の顔が鬼気迫るが如く酷く歪んでいる。
…ように見えたのは一瞬だった。
あまりにも不可解な状況に京介もさすがに恐怖を覚えて後ずさった。
と。
「…………あれ…?
オレ、なんでこんなところに」
「?!」
突然我に返ったらしく、キョロキョロと周りを見渡して義人自身も首を傾げた。
こういうのを狐につままれたような感覚に陥ったというのだろうか。
この島に狐なんか居るのかよと、京介は義人を促して足早にホテルへと戻った。
そうして帰り道は迷いながらもようやくホテルのロビーに着いたとき、京介は義人をラウンジへと誘う。
「いや、オレは…」
「…なんかさぁ? 最近、おかしいときあるよね? 悩み事??」
「悩み事なんてないけど」
「とにかく、一杯付き合えって!」
そう言いながら強引に義人を引っ張っていく京介。
ホテルのプライベートビーチが見渡せるビーチサイドラウンジの席に座り、義人は仕方なく一杯だけとジンライムを頼むことに。
二人で静かに飲みはじめてしばらく経った頃、亮太と海尋が手を繋いでビーチを歩いているのが見えた。
じゃれあいながら歩く二人を見て京介は苦笑いを零す。
「あー、夜遅いとはいえ、あいつら大丈夫かよ。
何だかんだ言いながら亮太のヤツ、海尋ちゃんの前じゃてんでガキだねー」
「―――」
「え? 何か言った?」
忌々しげに何かを呟いた義人に問い掛ける京介。
だが、返ってきたのは沈黙。
それからいままで見たことのない表情でビーチの二人を見ている。
そんな義人を見て、京介は何となく違和感を覚えたのだった。
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〜 to be continued 〜