ハニマガのTwitterで《誘惑オフィスLOVER2》山縣翔続編のリリース告知を見て、はるか昔に9割ほど書き上げてたこのお話の存在を思い出しまして
……保存した日付が2016年1月30日ですって
当時はかれぺっとGAMESの中で配信されてて、必死になってプレイしてたなぁ
…時が過ぎるの、ホントに早いなぁ
月下 with 山縣翔
《誘惑オフィスLOVER2》妄想SS
夏季休暇が近づいているというのに多忙を極める翔さん。
夏休みの予定を聞かれないまま迎えた夏季休暇直前の日。
「相手が山縣さんなら仕方がないか」と先輩の夏目さんに憐みの目で見られ、自分自身も諦めていた矢先。
『明朝10時に迎えに行く。遅刻厳禁』
という、カレからのメールが到着する。
そして翌日、私たちは翔さんの所有する山奥の別荘に向かった。
普段の生活でそうしているように、掃除も食事の用意も全て自分たちで行い、全てを片付けて私たちは縁側に座っていた。
別荘地の中にひっそりと建つ大きなお家に二人だけの時間が流れる。
月の光を浴びながら虫の声に耳を澄ます。
「のんびりしてて…いいですねぇ……」
そう言いながら私は隣に座る翔さんの肩にコトンと頭を乗せる。
このかけがえのない時間が嬉しくて嬉しくて、心の中が幸せな思いで満たされていく。
「愛優香」
「……はい…?」
返事をしてふと翔さんのほうに顔を向けると、私たちの視線が絡まった。
彼の瞳の奥に色めいた光を見る。
少しずつ近づいてくる唇に、私はそっと瞳を閉じた。
心をときめかせるような触れるだけのキスは次第に啄むようなキスに変わる。
そのキスも心を熱くする長く深いキスに変わり―――。
「…ん…っ……ふ、ぁっ…」
唇の角度を変えるたびに洩れる声はお互いがもつ淫猥な感情を掻きたてる。
背中を大きな手のひらで支えられながらゆっくりと押し倒された。
縁側の板のひんやりとした感覚に一瞬羞恥心が湧いたのだけれど。
(あ…)
目を開けると、月の影を背に浴びた翔さんがとても綺麗で目が離せなくなる。
整った顔立ちと均整のとれたその身体はまるでギリシャ彫刻のようで、女の私よりもはるかに綺麗で…。
「……愛優香…?」
この人が欲しい。
抱かれたい。
いますぐ溶けあいたい。
そんな煽情に私は手を伸ばして指先でそっと頬に触れる。
そのまま顔の輪郭を顎のほうへと辿り、指先に感じる微かなざらつきに、あらためて翔さんが男の人だと認識させられる。
「翔…さん……」
名前を呼ぶと頬に触れていた手を掴まれ、手のひらに口づけられたかと思うと、そのまま床に押し付けられて…。
「愛してる」
その言葉途中で口づけられ、カットソーの裾から侵入してきた手のひらは素肌を余すところなく這っていく。
虫たちの涼やかな演奏をどこか遠くで聞きながら、私たちは月の光の下で―――。
〜 end 〜