「あのね、わんわんあと1軒しか心当たりない」
近くに3回くらいご主人さまと行ったことがあるホテルがある。
わんわんの言い方で、そこのことだって判ってくれるだろう。
「さっきのとこ戻って」
「さっきのとこ?」
「待つほうが確実っぽい」
「うん」
あんまり好きじゃないとこウロウロするより、気に入ってるホテルで待ってたほうがいっか。うん。
お気に入りのホテル戻って駐車場に入ってくと、またさっきのお兄さんが近寄ってきた。
私の顔を見るとちょっと申し訳なさそうな表情になった。
「あの後2組いらしたので、その後のご案内になります」
ご主人さまが「1時間くらい?」って聞いたら「そうですね」って。
土曜日のこんな時間だし、どこに行っても同じだろう。
いいや、のんびり待とう…ってウェイティングルームでご主人さまと話してたら、15分くらいでお兄さんが呼びに来てくれた。
「意外と早かったね」
ぼしょぼしょとご主人さまに呟く犬。
15分なんて待ったうちに入んないよ(笑)
お部屋に入ってお風呂にお湯を落として、ご主人さまがチャンポン頼んだり。
2人で缶チューハイ飲んでたら、半分くらいでなんだかクラクラしてきた。
「あー、これ強いんだあ」
「なにが?」
「6パーセントだって。わんわん3パーセントのしか飲まないもん」
その3パーセントの缶チューハイだって、2ヶ月に1回くらいしか飲まないし。
半分残った缶チューハイをハイってご主人さまにお願いして、
冷蔵庫からミネラルウォーター持ってきて飲んだ。
食べ終わったご主人さまが服をポイって脱いでる。
あ、お風呂だ。
わんわんもポイポイって服を脱いで、ひげ剃りとボディネット?体洗うやつ。
それ持ってご主人さまの後からお風呂に入ってく。
で、自分の体をゴシゴシ(笑)
背中届かない~、とか言って、ご主人さまにゴシゴシして貰った。
「洗う~?」
「んー」
ずっと湯舟に浸かってたご主人さまがザバッて上がってきたから、お風呂椅子をご主人さまのほうに出した。
「マット敷く?」
「そのほうがいーい?」
「いや、どっちでも。マットで横になったほうが洗いやすいかと思っただけ」
「うん。じゃあね~マットにする~」
お風呂にマット敷いてご主人さまにコロンと横になって貰った。
「普段ね~、こうやって誰かのこと洗うこと無いもんね~」
「ああ(笑)」
「寝転んでる人とか(笑)」
「だね(笑)」
マットでコロコロのご主人さまをゴシゴシ洗いながら、くだらないお喋り。
なんか楽しい。
それからまたご主人さまが湯舟に浸かって、わんわんはニヤニヤしながらひげ剃り握った。
ひげ剃り握って、ちょこんとご主人さまをのお腹の上に腰を降ろす。
「…ほんとに」
「え?」
「楽しそうだねぇ(笑)」
「わんわん、だいたいいつも楽しそうでしょ?(笑)」
ご主人さまと一緒の時はいつも楽しいんだから、楽しそうで当たり前。
「ひげ剃りする時は特に楽しそうだよ(笑)」
「そ?」
にこって笑って、ご主人さまの頬っぺたあたりにひげ剃りの刃を当てた。
ショリショリって感覚が指先に伝わってくる。
自分の体では味わえない感覚。
さすがにショリショリするほど、ムダ毛はえて無いもん(笑)
「念入りにひげ剃りした?」
「なんで」
「あんまり伸びてないから(笑)」
「ああ(笑)昼ごろ起きて剃ったからだよ」
「そか(笑)」
おヒゲが無くなったご主人さまにチュッてして、体の向きを変えてご主人さまに寄りかかった。
ご主人さまが後ろから手を回して抱きかかえるようにしてくれる。
なんかしあわせ。
その手のひらが、キュッと乳房を握ってきた。
びくん
パチャン
動くとお湯が跳ね上がる。パチャン。
「…だ……め」
「なんで」
「きもち…よく、なっ…ちゃう、から」
「いつもじゃん(笑)」
「うん…そうだけど…」
そうだけど
その「いつも」って時々だから
何ヶ月かに1度だから
ご主人さま以外、誰も私に触れないから
だから
だから
すごく
なんの余裕もなく
からだがかんじてしまう