ご主人さまはきっと、わたしの望み通りのことをしてくれようとしてる。
何も言われなかったけど、わたしはそう感じた。
立ち上がって浴槽から出て、ご主人さまの前にひざまづくわたし。
ご主人さま自身からチョロチョロと液体が零れ始めた。
両手を差し出して受け止めながら、身体全部にそれを浴びてゆく。
『Mのための儀式みたいだな』
前にそう言われたことを思い出した。
圧倒的な至福感。
願いが聞き入れられた喜びにこころが震える。
差し出した両手をぴったり閉じて、その液体を掬うようにした。
ごく自然に口唇が降りていった。
こくん
こくん
ご主人さまのおしっこが、わたしの口から体内に収まってゆく。
幸せ酔いしてしまいそう。
おしっこが止まってから、ご主人さまを見上げた。
「…しょっぱい」
「甘かったら糖尿だ(笑)」
「しょっぱいって知らなかった」
「そうか」
見上げるわたしの表情は、完全に甘えんぼうの顔になってたと思う。
意識がとろとろしていたから。
きっと視線もトロンとしていたはず。
「ちゅーしたい」
わたしの言葉を聞いたご主人さまの口唇が近付いてくる。
「だめ!」
「え?なに?」
「だめ、ちゅーダメだった」
「なんで」
「わたし今おしっこ飲んだ」
「ああ(笑)」
「おしっこ飲んだからダメ、ちゅーだめだった」
「いいよ」
汚い、とは思えない。
少なくとも、わたしには。
でもご主人さまは嫌だろう。
自分のおしっこを飲んだ口唇に触れるのは嫌なはず。
少しうろたえた。
少し抗った。
でもご主人さまは「いいよ」と言って笑ってる。
いいの?
そう言葉にする前に、ご主人さまの口唇がわたしに触れてた。
愛しそうに頭を抱え込んでくれてる。
言葉に出来ないくらい嬉しくて、
抱きしめてくれてるご主人さまに腕を廻して抱きしめ返した。
もう、汚いも何も思わなかった。
ただ夢中でご主人さまにしがみついて、
「入れたい」と呟いてた。