夢 出会い 魔性 -151ページ目

夢 出会い 魔性

日記だったり思い出だったり願望だったり不倫だったり。




「結局は遺伝子で惹かれるのか」


電話の向こうでご主人さまがそう言った。

それ、わたし、何度も言ったよね?って笑った。


出会って間もないころ。
私という本体がご主人さまを好きだと自覚する前。

好きだとも思ってないから、平気で言えたのだ。

「私、あなたの子供が欲しい。なんかわかんないけど(笑)」




遺伝子レベルで惹かれてしまうなら、なんかもうお手上げじゃない。

それって、いわゆる本能。

食べたいとか眠たいとかと同じレベル。

意識しなくてもお腹が空くように、意識しなくても遺伝子がご主人さまを求めるなら、
それって、私には抗いようが無いってこと。



今まで生きてきて、本能が求める人に会ったのは1度きり。

たぶん、人生はもう折り返しにかかっている。
つまり、半分は過ぎている。

半分以上生きて1人なら、残りの半分以下の人生では、きっとそんな人に会うことは無いだろう。

単純な、確率の問題だ。



それなら体の好きにさせてやろう。

私の意思では無く、体の意思だ。

お腹が空けば食べるように。

眠くなったら眠ってしまうように。





私の生きる本能がご主人さまを求めるなら、
体の好きなようにさせてやりたい。

本能を拒むことは、生きることを否定することなんだよ。






ご主人さまに、他の女の人にも話したの?って聞いてみた。

若い女の子に怒られた?って(笑)

怒られたし、まだ怒ってるってお返事。


「その子が言うの?怒ってるとか」

「言うよ(笑)」

「そか…。わたし…」

「ん?」

「わたしいっぱい泣いた」

「ああ」

「わたしいっぱい泣いた」

「泣くんじゃない」

「いっぱい泣いちゃったもん。怒ってないけど(笑)」

「はは」



「泣くんじゃない」って、口調が優しかった。





ご主人さま

いっぱい泣いちゃったって言わせてくれてありがとう。

ヘーキでいるんだ…って思われるのは、つらい。

言葉が不器用で好きだとは言えないから、
いっぱい泣いたと伝えるのが、わたしの精一杯なの。



精一杯、なんです





タダ友タイムになってから、ご主人さまと1時間ちょっとお電話。


ご主人さまの声は耳に優しい。


でもきっとそれは、ご主人さまがステキな声だからじゃなくて、
ご主人さまの声だから好きなんだ。


垂れ目が好きなんじゃなくて、
ご主人さまが垂れ目だから垂れ目が好き。


白髪混じりの髪が好きなんじゃなくて、
ご主人さまが白髪混じりだから白髪混じりの髪が好き。



そういうこと
そういうことよ