「いっ…ちゃった…」
「判ってるよ(笑)」
後ろからクックッて笑いを噛み殺してるみたいなご主人さまの声がする。
お湯の中で身体がゆらゆらふわふわしてる。
頭の中もおんなじ。
「あのね、お口でしたい」
「したいの?」
ホワンとご主人さまを見て、こくこく頷いて見せる。
ご主人さま、いいよって笑ってる。
バスタブが少し変わった感じになってて、
浴室の角に斜めに寄ってるように設置されてた。
バスタブと浴室の角が作る三角みたいなとこに、腰掛けられるようになってる。
ご主人さまはその三角のところに座って、「ほら」って言ってくれた。
足湯みたいになってる。
わんわんは湯舟に浸かったまま、ご主人さまの両足の間に顔を埋めた。
右手を添えて口唇を這わせて、
左手はお湯でゆらゆらする身体を支えるように、ご主人さまの太ももに掴まってるみたいな格好。
すぐに、お湯が熱くてのぼせてきてるのか、自分の身体の熱なのか、判らなくなってくる。
「あ…っ、ふ」
あぶないあぶない。
意識がトロンとその辺りを漂いだす感覚。
口がお留守になってしまいそう。
続けてると私がキケン。
あぶなくなったら呼吸を整えてクールダウンしなきゃ。
競り上がってくる感覚を逃さなきゃ。
そうじゃないと、わたし
「んんんーっ、んんっ」
ご主人さまの親指と人差し指が、ちょうど水面あたりの乳/首をつまんだ。
反射的にビクンと跳ねて、ご主人さま自身を口に含んだままイヤイヤと頭を振った。
つまんでる指先の力が強くなる。
口唇とか舌とか、そっちに集中できなくて離してしまいそう。
ご主人さまの太ももの上の左手が、カリっと爪を立ててしまいそう。
「らめ」
ご主人さま自身から半端に離れた口元から、音が欠けた言葉が漏れちゃう。
「なんで駄目なの」
「い…っ、ちゃうか、ら」
「駄目じゃないでしょ」
「だめ、いっちゃうから、だめ」
だってもうすぐそこまで競り上がってきてる。
身体の中で出口を探して暴れはじめてる。
わざわざ呼吸を整えて逃さないとダメなくらいのとこまできてる。
あ、
あ、
カタカタって指先が震えた。
身体中にギュッと力が篭ってく。
そのままご主人さまの身体にしがみつくみたいにして、大きな波に飲み込まれてしまった。
ご主人さまの太ももにポテンと頭を乗せたまま、
はあはあ荒くなった呼吸と、ばくばくしてる自分の心音みたいなのを感じた。