夫の言葉を完全に心がシャットダウンして、単なるノイズにしか聞こえなくなったころ。
携帯が軽い音を立ててメールの着信に気付いた。
ご主人さまだ。
昼間からぽちぽちくだらないメールをしていて、それへのお返事。
ああ、こういうタイミングは非常にまずい。
かたくなになったこころが、ホロッとほころびてしまう。
メールを開くための手元がかたかた震えてた。
何も感じなくなってたのに(当たり前だ。単なるノイズに何か感じる人はいない)
こころがフッと戻ってくる感覚。
『もうおうち?』
『まだ職場』
『電話はマズイ?』
お返事なし。
たぶん、お仕事中にちょっと手が空いてメールをくれたのだろう。
でも、電話OKのワン切りが無くて正解。
いま声を聞いたら、きっと何も言えないでただ泣いてしまう。
だから正解。
声が聞きたいけど、聞かなくて正解。
現に、メールの文字を拾う指はかたかた震えたまんま。
2時間くらいしてから『どした?』ってメールがきた。
もうだいぶ気持ちは落ち着いていたから
『ごめんね、いろいろ言われてテンパっただけ』とお返事。
文章の外側に、精一杯『もう大丈夫』って意味を含ませた。
すぐにご主人さまから電話がきた。
ワン切りより長い。
タダ友タイムじゃ無かったから、きっと『出ていいよ』って意味だったと思う。
でも出られない。
わんわんが電話したかったんだから、
ご主人さまからの電話には出られない。
(早く切れて)って思った。
かけ直すから、早く切れて。
少ししたら電話は切れたから、わんわんからかけ直しした。
やっぱりさっき話さなくてよかった。
ちゃんと「もう落ち着いた。大丈夫」って言えたから。
さっきのタイミングだったら言えなかったはず。
「最近よくテンパるねぇ(笑)」
…茶化された(笑)
ごめんなさいって思った。
テンパってめんどくさいはずなのに、電話してくれてありがとうって思った。
ごめんなさい
ありがとう
ありがとう