ご主人さまはきっと社員証ホルダーを買ってきてくれるとおもう。
でも欲しいのは物じゃない。
ご主人さまが言った通り、社員証入れのネックホルダーなんて100均でも売ってる。
それが欲しいんじゃない。
欲しかったのは、たぶん言葉。
いいよ、とか、判ったよ、とか。
拒絶じゃない言葉。
たとえば「なに言ってんの?」とか言われたら、次からは何も言えなくなってしまう。
「わんわん、社員証ホルダーが欲しい。だって首輪のリードみたいだから」
それに対して「なに言ってんの?」って反応はこわい。
「買うのは無理」とかならいいの。
それは拒絶じゃなく、物理的なことだから。
お前、なに言ってんの?的な反応はこわいじゃない。
受け止めて貰えてないってことになってしまうじゃない。
ご主人さまは「今度見てみる」ってお返事してくれた。
それはわんわんを受け止めてくれたってこと。
わんわんの言葉を受け止めてくれたってこと。
いくらビンボーだって、100均に売ってるものくらいわんわんにも買える。
それくらいご主人さまにも判ってるはず。
それを欲しがる意味も判るはず。
物じゃないんだって。
「ご主人さまに貰う」ってことに意味があるんだって。
意味が判った上で、スルンと「今度見てみる」って言ってくれたのなら、
やっぱりわんわんは、ご主人さまに受け止めてもらえたのだと思う。
わんわんは今日、受け止めて貰える心地よさをご主人さまから貰ったんだ。