ショリショリショリ
短くなった毛が剃刀で剃られてく音。
ご主人さまは何度もスポンジでボディソープを泡立てて塗ってくれた。
バスタブの淵に浅く腰掛けて足を開いているわんわん。
その足の間をじっと見詰めながら、毛を剃り落としてゆくご主人さま。
そのご主人さまの動きをじっと見詰めてるわんわん。
なんだか不思議。
「こっちに座ってごらん」
「うん」
バスタブの淵じゃなくて、お風呂椅子に座るように促された。
今までお風呂椅子に座っていたご主人さまは、床に立て膝になってる。
「もっと開いて」
「こう?」
「そうそう」
奥のほうが剃りづらそう。
わんわんにはまるで見えない辺り。
ご主人さまにはどんな風に見えてるんだろう。
「もっと腰を突き出して」
「…んっ、と」
「後ろに手を着いて」
「あ…うん」
お風呂椅子に座ってた腰を前に突き出すようにして、
上半身を反らせて、椅子の後ろのほうの床に手を着いた。
「そう、そんな感じ」
わたし、いまきっとすごい格好になってる。
それをご主人さまに見られてる。
ああ、だめ。
床に着いている腕がかくかく震えてしまいそう。
自分の身体を支えているのが精一杯。
ご主人さまが見ている場所はスルンとした平な皮膚じゃなくて、
ビ/ラビ/ラだったりヌ/ルヌ/ルだったりしてるはず。
ご主人さまの指が、皮膚を伸ばすように動いてる。
指先で皮膚を抑えながら、ショリ…って剃刀が毛を剃り落としてる。
「っ!」
「?なに」
「…う…うん、なんでも…」
いまご主人さまの指先が敏感な場所を掠めたのです。
その感覚を、律儀に身体が拾ってしまったのです。
まずい
呼吸がは/あは/あと弾んでしまいそう。
腰を突き出して
身体を後ろにしならせて
足を大きく開いて
そんな格好をご主人さまの視線に晒しているだけで精一杯なのに。
指先がそんなところを掠めるなんて、それだけで感じてしまうよ。
床に着いた腕だけじゃなくて、
開いた太ももまで、たよりなくユラユラ揺れてしまう。
なにもされていないのに。
ただ剃られているだけなのに、感じてしまう。