人が動く気配。
「あ…れ?」
「起きたな(笑)」
寝てた…寝てたんだ、私。
どれくらい?わからない。
慌てて携帯を探して時間を見ると15時半。
朝ホテルで会ったのが10時少し過ぎだったから…1時間くらいは寝てたのかな。わかんないけど。
「本能のままだなあ」
「えー?」
「セ/ッ/ク/スしてグーグー寝て(笑)」
「う」
「腹減った、とか言い出すんだろ」
「減ってないもん」
「そうなの?」
「昨日、焼き肉食べすぎた~(笑)」
昨日ご主人さまと水族館の帰りに、ガッツリお肉を食べすぎてた。
お腹いっぱい…では無かったけど、全然空腹感がない。
「俺も減ってない」
なーんだ、おそろい(笑)
「あと1時間半くらいか。遊びに行くか」
…1時間半…
夜7時くらいには帰ってないとまずいの、ご主人さま知ってる。
会う前からタイムリミットは判ってたのに、ひどくつらい。
1時間半後にはお別れの時間がやってくる。
「うん、遊びに行こ」
お部屋でご主人さまにくっついていたかった。
遊びにも行きたい。
本当は、ご主人さまと一緒ならなんでもいい。
ただ、圧倒的に時間が足りない。
時間なんて、いくらあっても足りない。
ずっとご主人さまといたいんだから。
思い切ってベッドから起き上がると、
「お、行くか」ってご主人さまに言われた。
このままお部屋にいるよりも、
楽しく遊んでしまったほうが、さよならが辛くないかも知れない。
そう思った。
お部屋から出て、エレベーターの中でキスをした。
私の腰を抱き寄せたご主人さまが、ほんとに細いなあって笑ってる。
そ?って笑い返して、またキスした。
エレベーターのドアが開いたから、もう2人きりの時間はおしまい。
日が傾き始めた外気は寒くて、
私はブルリと身震いをした。
寒い、と思ったら、余計に寂しくなった。