「いつもだいたいダメダメって言うなあ」
「うー」
「とけちゃう~、も(笑)」
「知らないもん」
「溶けるって、どんな感じ?」
「溶けるは…溶けるよ。ドロドロって」
「はは」
「溶けてベッドに染み込んじゃうかも~」
「でかい染みになるなあ(笑)」
溶けるは、身体も心もぐちゃぐちゃになって、自分じゃなくなるみたいな感じ。
気持ちいいしかなくなって、身体の全部がご主人さましか感じなくなってるみたい。
そんな感じ、かなあ。
「まあ、とけるって言ってないみたいだし(笑)」
「うん(笑)」
「じゃあ禁止ね」
「ん?」
「とける禁止。言ったら止めるから」
「えーー」
ご主人さま面白がってる。
それから、まあ覚えてないんじゃ禁止しても無理か、って言って笑ってる。
言葉でじゃれてるみたいでくすぐったい。
指を絡めて手を繋いだり、ご主人さまの胸のあたりに頬っぺたをすりすりしたりした。
「んふふ」
「なんだよ」
「…き」
「え?」
「すき」
「好きかあ」
「うん」
言った!って思った。
言ったこと無かったから。
ああ違う。
1度しか言ったこと無かったから。
前にご主人さまに、名前を呼んで欲しいとせがんだ時に、
○子、好きだよって言ってくれた。
その時にお返事で、好きよって言ったきり。
好きって、たった2文字の言葉なのに、死にそうにどきどきするなあ…って思った。
わんわんがご主人さまにすりすりしてじゃれてるみたいに、
ご主人さまもわんわんの身体をなぜたりしてくれてる。
胸の少し上を、ご主人さまの人差し指が何度か摩った気がした。
おっ/ぱいを弄ぶのとは違う。
「?」
「入れ墨」
「うん」
ご主人さまを好きだと認識してから、胸の上に彫った蝶の入れ墨。
ご主人さまはそこをなぜてくれてたんだ。
深い意味は無いと思うけど、なんだかすごく嬉しかった。
わんわんにとって、ご主人さまの飼い犬の印しだから。
嬉しくなって、しっぽバタバタする代わりにキスをした。
「キス好きだなあ」
ご主人さまが少し呆れ気味に笑ってる。
「うん、すき」
ご主人さま、ちょびっとハズレ。
キスが好きなんじゃなくて、ご主人さまとするキスが好きなんだから。
いっぱいキスしてすりすりしてじゃれついて抱きしめあって
ご主人さまの手が、濡れた場所にあるのを感じた。