「…駄目だな、これ」
「え?」
「この女優」
「…好みじゃない?」
「あー、そーゆーんじゃない。怯えきってんじゃん」
「…だって…演技、でしょ」
「まーなー」
「何が駄目なの?」
「こんな怯えきったビクビクした目をした女にくわえさせたら噛まれる」
(クスッ)
「レイプだろ、こんなの。SM仕立てらしいけど」
「…そうね」
「Mの目はこんなんじゃないし」
「?そうなの?」
「怯えて、不安げで、でもそれだけじゃ駄目だ」
「…ん?」
「どんなに怯えた表情をしていても、目の奥がな、輝いてんだよ」
「……」
「期待感でな。その目だよ」
彼の目が真っ直ぐ私の目を見てる。
私を見るその目は間違いなくSの目だ。