今回は、北東北と道南の方以外には、あまり馴染みのない魚「ホテイウオ」について、書きます。
どの魚でもそうですが、存在を知っている釣り人であるならば、多くの人が持つであろう疑問…
それって釣れるのかな?
をホテイウオに向けて、結構真面目に考えました。
・ホテイウオについて
スズキ目ダンゴウオ科に属する魚で、体長40cm程度まで成長する、ぶよぶよした体の魚です。
ダンゴウオというと、小さくて可愛らしい水族館のアイドルといった魚ですが、
その仲間のホテイウオはそれを大型化したような魚です。
出典:WEB魚図鑑
ホテイウオ(2015.01.16) - WEB魚図鑑 (zukan.com)
北東北・道南では「ゴッコ」と呼ばれ賞味されています。
12月~4月頃になると、産卵のために浅場に接岸してくるため、それを刺し網で捕る漁があり、
その時限定で食べられます。
自分の住んでいた青森では、2月~3月になるとスーパーに並ぶため、厳しい冬を思い起こさせる魚というイメージがあります。
ホテイウオは、ゴッコ鍋と言われる鍋物にするのが一般的で、皮から内臓まで、色んな箇所が食べられる「捨てるところがあまりない魚」になります。
皮はコラーゲンのようなぷるぷる食感で、いかにも鍋物のためにある食材といった感じです。
・ホテイウオの生態と食性
ホテイウオは幼魚の時は浅瀬でヨコエビ・甲殻類・多毛類などを食べます。
成魚になると水深100m~1700mの深海に移り住み、クラゲ類を食べると言います。
形態は全然違いますが、以前紹介したマナガツオと似た食性ですね。(このタイプは釣れない魚が多いんですよね
寿命は約3年で、30cm前後の大きさになると浅場にやってきて産卵します。
産卵を終えると雌は死に、
雄は孵化するまでの間、卵を守りますが、やがて死んでしまいます。
・釣れたという報告はいくつかある
ミノー投げたら釣れたよ、イソメで釣れたよ、メバリングの小さいワームで釣れたよ、ジグで釣れたよ、など色々な報告はあるものの、
狙って釣れるレベルの魚ではないのは、言うまでもありません。
狙って釣れるような魚でしたら、釣り人の間でもっと有名になっているでしょう。
・では肝心の釣り方を考察してみましょう
深海でクラゲ類を捕食しているのであれば、船で行ってクラゲをつけて釣る、なんてことを考えなくはないですが、あまりそういった釣り方をしている人を見たことがないですし、船を出す時点で敷居が高いので今は割愛しましょう。
今回は釣れたという報告が多かった、「産卵期に陸から釣る」、に焦点を当てて考えます。
ミノーやジグで釣れるのは、産卵期の雄である可能性が高いです。
彼らは外敵から卵を守るために、他の魚への威嚇のために口を使う可能性があります。
では、そういったシチュエーションを利用した釣りや、リアクションバイト以外で釣れないかと言うと、ホテイウオに関してはどうもそうではないようです。
メバリング用の小さいワームは、ともすれば多毛類に似ているものもあるし、そもそもイソメに食ってきたという報告が結構あります。
そして、姿が見えるほどの浅い場所に入ってきている目の前に仕掛けを垂らしたら食いついてきた、という事もあるようなので、やはりこのやり方が一番可能性があるように感じます。
また、投げ釣りで釣れたという報告が少ないことから、あまり遠投するよりは、手前側に多い。
そして、砂地よりは、岩礁やテトラなどの障害物があるところが有望な気がします。
これは産卵場所を探しているので、何もない砂地よりは、卵を隠せる場所のほうがいるのではないかと思ったからです。
時間帯に関してですが、昼夜問わず釣れているようですが、どちらかというと夜間の報告のほうが多いですね。
この理由についてですが、ホテイウオが夜行性で夜に活発になる傾向が強いからです。
また、北国の厳寒期は、夜行性の根魚くらいしか魚がいないことがあります。
そのため、釣り人が昼間はあまりいないので、夜間の報告のほうが必然的に多くなるのではないでしょうか。
では、まとめです。
いるのを見つけるのが一番の近道、というのはオニオコゼに通ずるところはあるかもしれませんが、ここは自分の目で見たわけではないので、実際にどのくらいの確率で発見出来るのか不明です。
というところで、
夜の堤防近くのベタ底や、テトラ帯、岩礁帯でイソメを放置、もしくはごくスローに動かし続ける。
これが効くのではないかと思いました。
口が小さいわけではないので、針はスタンダードな丸セイゴ13号・チヌ針の4号程度で良いのではないでしょうか。
場所は上にも記しましたが、北東北から道南の盛んにホテイウオの刺し網漁が行われている地域が有望。
時間帯は夜。
こんなところでしょうか。
いつかこうして、ホテイウオを釣ってみたいものです。