出典:WEB魚図鑑

マナガツオ(2007.12.16) - WEB魚図鑑 (zukan.com)

 

 

 

 

宇和島市のFUJI(スーパー)で一度売っているのを見かけた魚「マナガツオ」。

青森に住んでいた時に、たまたま八幡浜からの送り込み(魚種を指定して仕入れるわけではなく、ランダムで入ってくるもの)のマナガツオをスーパーで買って食べたことがありますが、

珍妙な見た目と、たくさん食べると腹を壊すレベルの全身脂とも言えるくらいの真っ白な身が忘れられない魚でした。

値段は30cmくらいのもので600円、夜にスーパーに行くと半額になっていたので300円で買えた記憶があります。



さて以前から気になっていたことがあって、マナガツオって瀬戸内海を中心にそこそこ漁獲されるのに、釣れるという話を全然聞いたことがない。

これって何でなんだろう?



そこでマナガツオがあまり釣り人の仕掛けに掛からない原因を考えてみました。









・何を食べているか


調べてみたところ、マナガツオは、
・マルソコシラエビ
・アミ類
・多毛類
・クラゲノミ
・ヤムシ
・クラゲ

大きくなると、
小型のイカや魚を捕食するようです。

 

 

 





こちらの動画ではマナガツオを捌いて胃袋の中身をチェックしています。

胃袋の中からは、ミミイカ・カタクチイワシ・小アジが出てきました。

特にミミイカが好物のようで、4匹も出てきていますね。









・釣りのポイント



産卵期になると水深10mより浅い場所まで入ってくる。

時には河口まで来ることもあると聞くと、俄然簡単に釣れそうな感じがしてきます。

しかし、あれだけ日夜たくさんの釣り人が出ているのに、引っ掛け釣りを除いてはマナガツオを釣った人の話を聞いたことがありません。

 

餌も多毛類やアミ類を捕食すると聞くと、多くの人が使用するイソメやオキアミで釣れる魚のはずですが、それらで陸から釣れた話も聞いたことがありません。

つまり、産卵を意識した個体は餌を食わなくなるタイプの魚ではないか、と考察出来ます。

また、成魚になった個体から沖合のほうへ行くとの記載もありますが、小型の個体すら陸から釣れたという話を聞かないので、
釣るとしたら船釣りに的を絞ったほうが良さそうですね。










・船釣りでどうやって釣るか


 

 

 

 



こちらの方のブログではしっかりと食わせて釣り上げているので、何かを食って釣れることもある、というのは実証されました。

釣った仕掛けは、毛糸を巻いたものだそうです。

これはおそらくミミイカサビキと呼ばれ、マダイを釣るために一部の地域で使用している、毛糸を巻いた疑似餌になります。

おそらくこれをミミイカか何かと勘違いして食ってきたのだと思います。

先ほどマナガツオを捌いた動画内で、ミミイカが胃袋の中から出てきたことからも、沖合で釣る場合には、ミミイカ程度の小ささのイカが入手できれば釣れる可能性が幾分か高くなるでしょう。

もしくはカタクチイワシ・小鯵などの小魚が入手できれば、釣ることは可能なようです。









他にもこのように、たまたまマナガツオが釣れたという記事がいくつか見つかりました。
 

 

 

 

 

 

 

 

 




これらの記事では、いずれも狙って釣ったということはなく、たまたま釣れてきたようです。

タチウオ狙い、もしくはアジ狙いの船釣りで釣れることが多いようです。




沖合のタチウオ船では、大きなメタルジグや、大きなテンヤを使って釣るため、口の小さいマナガツオは、寄ってきたとしても口に引っ掛けて真っ当に釣るのは難しいようです。

よって引っ掛け釣りになってしまいますね。

引っ掛けか、口で食わせるか、ここにこだわりがない場合はタチウオ船でも良いと思います。

遊泳力が強そうな魚ではないので、素早く動いているルアーを食ってきそうにない、というところから、個人的にはタチウオ船は無いかなと思います。





どちらかというと、口に引っ掛けて釣ることが出来る確率が高いのは、アジ狙いの船ですね。

こちらは小さいアジの口に合わせて小さい針を使うため、マナガツオでも十分に食わせられます。

マナガツオはアジと同じくオキアミも捕食するようなので、十分可能性はあります。









・まとめ

先ほどから紹介している記事は、いずれも広島・大阪・和歌山なので、瀬戸内海とその出入口であるエリアに多いんだな、ということがわかります。

釣るとしたら、このあたりに船を出して、アジ釣りあたりの副産物として狙うのが良いと思います。

瀬戸内海には春から夏に群れでたくさん入ってくるようなので、その時期を狙うのも良いと思います。



実際に食しているエサに近いものを使いたいと考えると、オキアミか極小イカになりますね。

また小型のカタクチイワシ・小アジなどでも良いと思いますが、

いずれにしても餌取りに先にやられそうな感じしかしない小型のエサです。

それらの猛攻をかいくぐって、ごくわずかに泳いでいるであろうマナガツオの鼻先に餌が届けば、釣れることもあるのではないでしょうか?

 

 

陸から届く範囲に産卵に来るけど釣れない魚と言ったら、道南から北東北にかけて冬に刺し網で捕れるホテイウオ(ごっこ)を思い浮かべますが、

 

形は違えど食性が少し近いこの両者、惹かれるものがあります。