高血圧は「沈黙の殺人者」と呼ばれる根拠 | 健康管理・体のメンテナンスNAVI

高血圧は「沈黙の殺人者」と呼ばれる根拠

高血圧は「沈黙の殺人者」と呼ばれています。

その根拠は、静かにゆっくりと忍び寄り、

そしてある日突然に心臓病や脳卒中などにより死に至らしめる。

それが高血圧です。

血圧とは心臓から送り出された血液が

血管(動脈)の壁に与える圧力です。

心臓は収縮と拡張を繰り返して血液を送り出すので、

心臓の収縮により血圧が最も高くなった時が

収縮期血圧(一般的に呼ばれる上の血圧)、

心臓の拡張により最も低くなった時が拡張期血圧(下の血圧)と呼ばれます。

血管の壁はしなやかで弾力性がありますが、

高い圧力が長い間血管にかかると

これに対抗するために血管の壁が厚くなってきます。

そして、しなやかさや弾力性が失われ血管は硬くなり、

なかには血管の一部分が狭くなってきてしまいます。

これが「動脈硬化」です。

すると、さらに血圧は上昇するという悪循環に陥ってしまいます。

そのため血液を送り出している心臓にも負担がかかってしまいます。

 高血圧はその95%以上が原因不明で、

これを「本態性高血圧」と呼びます。

多くは遺伝的な素因と塩分や脂質の過剰摂取、

運動不足、

肥満、

ストレス、

喫煙、

アルコール

などの生活習慣の不摂生などが関与しています。

一方、検査により明らかな原因が見つかる高血圧もあります。

腎臓病や内分泌(ホルモン)の病気などが関係する高血圧です。

これらは「2次性高血圧」と呼ばれ、

本態性高血圧とは異なり

手術などの治療により治癒させることもできる高血圧です。

高血圧には特有な自覚症状はありません。

高血圧は長い時間をかけて進行し、

血管を障害していきます。

その結果、動脈硬化を原因とした

心臓病や脳卒中などの合併症の引き金となります。

つまり、何らかの自覚症状が出てきたということは、

すでにこれらの合併症を発症しているということで、

その合併症による自覚症状の可能性が高いのです。

心臓病を例にとると、

日本では狭心症や心筋梗塞の原因疾患のトップは高血圧です。

これらの自覚症状として多いのが胸の違和感や痛み、

また圧迫感や締め付け感などです。

しかし、これらの自覚症状は狭心症や心筋梗塞の自覚症状であり

高血圧による症状ではありません。

つまり、かなり深刻な状態に陥るまでは本人は気がつかないのです。

高血圧が「沈黙の殺人者」と呼ばれるゆえんなのです。