旅立ちました。 | 家庭犬のしつけインストラクター井原亮のひとりごと

家庭犬のしつけインストラクター井原亮のひとりごと

このブログは『家庭犬専門の施設SkyWan! Dog Schoolの公式ブログ』として使用しておりましたが、2024年の飛行機事故をきっかけに、感じたこと、さまざまな報告などのブログとして復活致します。

本日午前4時50分頃に、私の相棒そらくんが亡くなりました。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、最初に病気が発覚してから約3年。
3度の命の危機を乗り越え、無事に16歳を迎えてくれました。

しかし、今月の初め血液を作り出すことができなくなり貧血と脾臓(ひぞう)の状態が悪化し、投薬を続けながら今日を迎えました。

3度目の危機から脱した時に家族と話し合い、命が短くなってもいいから教室に連れて行ってあげようと決め連れてくるようになりました。それから約8ヶ月間元気にいたずらしながら過ごしてくれました。どちらかというとその8ヶ月が一番楽しかったのかなと思います。

もう長くないとわかってから、いろいろなことが頭を駆け巡りました。絶望感や喪失感、褒めてやりたい気持ち、頑張って欲しい気持ちなど頭の中の整理が全くつかず、どうしようかと思っていましたが、日を追うごとに少しづつ考えや気持ちが変わっていきました。

絶望感を受け入れ、残りの時間で出来る限りの事をしてあげようという気持ちに変わり、最後は拍手で送ってあげられるようにしようと決めました。
このころから、最後を迎えるまで私たちらしくいこうと2つの目標をきめました。

1つ目はいっぱいご飯食べさせてあげてお腹いっぱいで最後の時を迎える事。
もう1つは、トイレを失敗させないことです。
1つ目は文字通りできるだけ美味しいものと好きなものを食べさせてあげる。もう1つのトイレは、漏らしたって構わないのですが、私とそらくんだけがわかるトイレのタイミングとコミュニケーションを取りたかったからです。最後までお互いを理解して終わりたかった、という気持ちからです。

おかげさまで、見事に2つの目標を達成して旅立って行きました。


そらくんの命はたくさんのことを教えてくれました。
私が20歳の春、そらくんを迎え、育てることの難しさや責任の重み、そして気持ちを理解してあげることの大変さを教えてくれました。幼いころ人が怖かったそらくんを必死で守り、慣らし、一緒になってたくさんのことを学びました。
彼が8歳になった頃に独立しSKYWAN! DOG SCHOOLを立ち上げた時、苦しみ悩んだ時も一緒に過ごし、それから8年、今に至ります。
今回、命の最後に向き合うことがわかったとき、私は大きな勘違いをしていたことを思い知らされ、長年の何かから解放された気がしました。ずっと自分一人でそらくんを見てきたという自慢にも似た考えが根底から覆されました。それは介護にあたるにつれ、一人ではどうにもならないことがあるとわかり、スタッフに看てもらうようにお願いしました。
その時でした、私のなかで何かが間違っていたことをやっと理解したのです。実際はたくさん頼っているのに、自分で全てをやっていると思っていたことでした。
私が結婚前から飼っていることと子供が幼いこともあり、葬儀には一人で行くんだな、と孤独感すら抱えていました。しかし、本当に自分がバカでした。
「もちろん一緒に行こうよ。そんなの当たり前じゃん。」と妻に言われハッとしました。涙が溢れ、孤独ではなかったとほっとする気持ちさえ生まれてきました。初めてでした。

人を信用せずに過ごしていたことを後悔し、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

この感謝の気持ちが、そらくんに「ありがとう」の気持ちで見送ってあげることを決意させてくれたのだと思います。

今日、火葬が終わり小さくなって帰ってきたそらくんですが、そらくんの名前はSKYWAN!とともに生きて成長していきます。

感謝の気持ちを忘れずに前に進むことが一番の供養になると思います。
まだまだ寂しいですが、思い切り悲しんでゆっくり進み出しますので今後とも宜しくお願いします。

人生をまっとうしたそらくんに拍手です。
そらくん、「ありがとう、安らかに。ずっと相棒だよ。」

バイバイ。



気にかけていただいた皆様、本当にありがとうございました!