驚異の粘りと集中力で、強豪から価値ある白星を挙げた。  現地6月22日、男子バレーボール・ネーションズリーグ(VNL)1次ラウンドがフィリピンで開催され、世界ランキング4位の日本男子代表は同7位のフランスと対戦。パリ五輪のホストカントリーを相手に2セットを連取される苦境に立たされながらも、日本は見事なカムバックで盛り返し、フルセットの末に3-2(17-25、19-25、25-16、25-23、15-10)で激闘を制した。1次ラウンドの通算成績を8勝3敗とし、5位に順位を上げている。 

フランス戦で両チーム最多の33点をマークした石川。日本のエースがいよいよエンジン全開だ。

 

  これで日本は世界ランキングでも3位に浮上。数時間後に4位スロベニアが2位イタリアに勝利したため、逆転されてふたたび4位に後退したが、1次ラウンドの1試合を残して「5位以内」が確定した。  

パリ五輪本大会は組み分け抽選において、今大会1次ラウンド終了後に確定するこの世界ランキングの順位が指標となる。五輪本大会の男子バレーボールには12か国が出場し、3組に分かれて総当たりの1次リーグを戦う。

 

プールAに開催国フランス、Bに世界1番手(現時点で世界ランキング1位のポーランド)、Cに世界2番手(同2位のスロベニア)が入ることが決まっており、後は3~5番手、6~8番手、9~11番手にポット分けされ、抽選で順々に各プールに振り分けられるレギュレーションだ。抽選会は6月26日に開催される。

  

現時点の日本は「345.31ポイント」で、もし最終戦でアメリカ(同5位)に0-3のストレート負けを喫した場合は「-10.56ポイント」で「334.75ポイント」となる。

6位以下で5位以上を狙える競合相手は6位ブラジルのみで、現在「324.22ポイント」だ。

こちらは日曜日の最終戦でフランス(同7位)と戦い、もし3-0のストレート勝ちを収めればマックスの「+9.30ポイント」を得て「333.52ポイント」に上がる。

つまり日本はアメリカに負けても、わずか「1.23ポイント」差で5位以内をキープできる計算だ。  

2位もまだ狙えなくはない。

日本がアメリカに勝利して、2位スロベニアと3位イタリアが最終戦でどちらも敗れる波乱が起これば、日本は逆転で2位に浮上して「プールC第1シード」の座を射止められる。

ただ、地元で4連勝と波に乗るスロベニアの相手はセルビア(同10位)で、イタリアはVNL最下位のトルコ(同17位)と対戦するだけに、現実的にはなかなか厳しいシナリオだろうか。