ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社(ULA:United Launch Alliance)はアメリカ太平洋夏時間8月28日14時03分(UTC協定世界標準時同日18時03分、日本時間8月29日03時03分)、米国家偵察局(NRO)の偵察衛星「NROL-65(KH-11(Crystal-16, USA-245)」を載せたデルタ4ヘビー(Delta-4+Heavy)ロケットを、カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から打ち上げた。

$SatelliteAsiaのコラム-デルタ4ヘビーロケット


打ち上げられたロケットは順調に飛行し、打ち上げから約75分後、「NROL-65」が所定の軌道に投入され、打ち上げが成功したと発表された。

米国家偵察局の「KH-11」シリーズは、1976年から打ち上げが始まり、1985年の7号機が打ち上げに失敗している為、今回が15基目となる。

「KH-11(Crystal-10, USA-86)」からはタイタン4型ロケットで打ち上げが行われてきたが、前回の2011年1月20日の「KH-11(Crystal-15, USA-224, NROL-49)」からはデルタ4ヘビーロケットに引き継がれている。

タイタン4型ロケットとデルタ4ヘビーロケットの違いは、打ち上げ能力の差にあり、低軌道へはタイタン4型ロケットが17トンに対して、デルタ4ヘビーロケットは23トン。
またタイタン4型ロケットは静止軌道への打ち上げ能力が5.7トンに対し、デルタ4ヘビーロケットは約13トンと欧州宇宙機関のアリアン5ECAの10.5トンを上回る。


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「NROL-65(KH-11(Crystal-16, USA-245)」は偵察衛星であるため、詳細については発表されていないが、初期資料によれば、重量は13.5トン~17トン、運用軌道は高度300km~1000km、直径2.4mの主鏡でリアルタイム光学偵察が可能で、地上分解能は理論的に15cm以下になると言われている。


日本の情報収集衛星「光学5号機」が分解能41cmとの事なので、「NROL-65(KH-11(Crystal-16, USA-245)」の性能は似て非なる物という、怪物のようだ。