日本の諺に 若い時の苦労は買ってでもせよ! と云う有名な格言があります。
“若い頃の苦労は自分を鍛え、必ず成長に繋がるので、できるだけ「苦労」「辛抱」「難儀」を経験しなさい、苦労を経験せず楽に立ちまわれば 将来自分の為になりませんよ!” という警告で古くより諸先輩から受け継がれた言葉です。 |
ところが・・・・南半球のこの地で 人生は楽しむ為にあり という格言の下に生きているオーストラリア人とは大きく人生観の差があります。
人生は楽しむ為にあるなんて馬鹿なこと言うな!
明治、大正、昭和を逞しく生きてきた人々に「人生は楽しむ為にあり」とやわな言葉を使うときっと怒られるでしょうね・・・・
オーストラリアは多民族国家、世界200か国から移住してきた人々の集団ですが、シドニーは「マルチカルチャー都市ベスト5」に入る多様性都市で
120カ国以上の民族が一緒に暮らしています。 なかでも、シドニーっ子は伝統的に仕事一本やりの生活を好まず、仕事と余暇とのバランスある生活を楽しみます。
「人生を楽しむために、仕事もこなす・・・・」という訳です。
ちなみに、「マルチカルチャー都市ベスト5」・・・ 堂々の1位に輝いているのはオランダ アムステルダム177カ国 (世界一の多民族文化都市なのです)
第2位 ベルギー アントワープ164カ国、 第3位 アメリカ ニューヨーク150カ国、 第4位 カナダ トロント130カ国 となっています。
あのロンドンでさえも、旅行者を除いて毎日100カ国以上の言語使われています。 いわば「人種のるつぼ」( Racial melting pot) なのです。
東京も毎日80カ国以上の外国語が使われています。 ことごと左様に国境のない世界が広がりつつあるので、オージーの気質を一言で表現できませんが・・・・
オージーの第1の特徴は、開拓者時代の名残、多民族国家なので、国籍、身分に関係なく “仲良くやろう! 皆仲間だ、友達だぜ!” 俗に云うメイトシップMateship (マイトシップと発音します)が強くて 差別なく人々を暖かく受け入れようとします。
Take it easy, mate! “堅苦しい挨拶は抜きにして気楽にゆこうぜ!”、 なんでもかんでも “No worry!” が口癖です。
余りにも調子よく頻繁に使うので、たまには・・・・ちょっと待つて・・・・“I’m worried! “(とても心配しているよ)と云い返したくもなります。
仕事の取組みも大きく異なります。 オーストラリアのことを「ラッキーカントリー」とも云います。毎週木曜日になると、週末金曜日からどう過ごすのか? どこに遊びに行くのか、その情報の交換で忙しくて頭がいっぱいとなって仕事になりません。
金曜日は朝からワクワクしていて、仕事にならない。で、金曜日、仕事の時間が終わった途端に車で出かけて、土曜日と日曜日に遊んで、それで月曜日はくたびれているから仕事がまったくはかどらない・・・・従って真面目に仕事するのは火曜日と水曜日の2日間だけと云う説もあります。(笑)当たらずとも遠からず・・・・
「この国の15%くらいはエリートで、朝から晩まで一生懸命 働いているけど、あとの奴らは皆なぐうたらに暮らしている」・・・とも云います。
ちなみにオージーの友人(オーストラリアの商社勤務)に言わせると、だいたい銀行、役所などでは・・・
「朝は9時に出社、9時半ぐらいまでカフェに行ってゆっくりして、10時ぐらいから仕事。12時から1時間半~2時間ランチして、帰社後、しばらく商談後、4時ぐらいには仕事片付けるかな」だそうです。ちなみに、ランチの時に結構みんなお酒を呑んだりもします・・・
これではあまり仕事は捗らないないし、いつ働いているの? と首をかしげたくもなります。 多くの人々が日本の重役職のようなゆったりした仕事ぶりです。
欧州人はもともと狩猟民族、日本人は農耕民族、とよく両者の違いを比較しますが・・・・その一例として・・・・
豪州人は週末から土曜日、日曜日とドライブにでかけてホリデーハウスに宿泊したり別荘で過ごしますが、たいてい読書にふけったり、イスに一日中寝そべったりして グーたら過ごします。 ロングホリデー休暇でも同じホテルで6泊~10泊滞在しますが、観光することもなく、外に出るのは散歩する程度です。
つまり普段は狩にでてあちこち移動しているので休暇を過ごす際は 何もせずにゆっくり寛ぎたいのです。 私に言わせれば、「本を読む程度の休暇であればわざわざ旅行など行かなくてもゆっくり寛げる 自宅で過ごせば良いのに!」とアドバイスしたくもなります。
我家のお隣さん、VICKY一家は、School Holiday が始まると、必ずどこかの別荘、またはホリデーアパトメントを借りて家族全員で1-2週間家を空けます。子供さんが4人もいるので「野外学習」の良き機会だと考えているのでしょう。 立派なお家に住んでいるので、何処かの別荘を借りるよりは自宅の方が断然住み心地が良いはずなのですが・・・・・我々日本人からみるとなぜ好んで外泊するのか不思議でたまりません。
反対に日本人の場合は同じホテルに連泊するよりも、なるべく多くの場所を観光して、買い物、食事などを楽しみたいという願望があります。
「農耕民族」は普段同じ場所にて生活しているので、旅に出るとできるだけ多くの場所を移動したいのです。 安近短(安くて近くて短い期間)旅行を繰返します。
旅行にでかけて現地のホテルに宿泊するだけで “観光スケジュール” が組み込まれていない旅行など考えられません。 なにか行動、移動しないと不満が残ります。「一日中自由行動」といった内容の旅行では手抜き旅行プランと見做されます。 なにか盛り沢山の企画でないと文句をつけられるのです。
最近の若者達は遊び心が豊かなので そういった “至り尽せり” の旅行は見向きもしない時代となりましたが、年齢と共に面倒くさくなり、ラクチンコースでスケジュールいっぱいのパック旅行の方が何かと便利重宝がられる傾向にあります。
この国は一部のエリート層を除いて、学歴社会ではありません。 大学に進学するよりもテーフ TAFE (公立職業訓練学校)に入学して、卒業後すぐに
役立つ実践的な訓練をしながら学びます。 ただいま一番人気がある3大職種は大工さんCarpenter, 電気屋さんElectrician, 水道屋さんPlumberです。
この仕事は憧れの トレーズマン Tradesman (熟練工) と呼ばれ国から免状 (ライセンス) を取得して営業している高級取りの人々達です。
大卒のサラリーマンの倍以上の収入となります。 トレーズマンは広い自宅以外に別荘を持ち週末はヨットで遊び、高級車を乗り回します。
その一例、電気屋さんの人件費は高いのです。 例えばクーラー設置代$800ドル、 家屋配線代$500ドル、 数時間で稼ぎます。
加えて、顧客は一般個人住宅、CASH商売。 公正領収書は要らないので 収入から30%~40% 引かれる州税の課税対照から外れます。
売れっ子の水道屋さん、年収1500万円以上の人、ザラにいます。(表むき年収500万円程ですが)日本では考えられない高級取り、憧れの職業です。
ガスの調子が悪いので業者さんを呼ぶと、玄関ノックするだけで$99ドル掛かります。 もし修理を依頼するとさらに$100ドル最低掛かります。
楽をして多くの収入を得る商売は何処の国でも人気があります。 しかも高学歴の必要がありません。 *豪ドル=¥90~¥93
大工さんも腕に技術があればひっぱりダコです。 建築資材の既製品の少ない国なので階段、ドアー、窓、戸棚など個人住宅からの需要はいっぱいあります。
日本人の活躍を期待したいのですが、国家試験(ライセンス試験)を英語でうけなくてはならないので、日本人の活躍の場ではありません。
シドニーでは日本人で国家ライセンスを持っている電気工はいません。 残念ながら日本人水道屋さんもいません。 英語の試験が苦手なのです。
電気、排水などのトラブルが起きると、在留日本人は仕方なくノー天気でやや無責任のオージーにたのまなくてなりません。
テレビ、クーラー新製品を電気店に注文しても、配達まで・・・・それ以降の配線工事はすべて トレーズマン の仕事で別料金なのです。
その点、日本は至れり尽くせり。 “ 日本でテレビを量販店で買えば、基本的には配達、接続サービスがある “ というとオージーは ”Why” と驚きます。先日、OPTUS オプタス(日本のNTTのような会社)のエレクトリシャン(電気工)が我家に来ましたが白人系でなくてアジア系だったのでビックリしました。
本人に訊ねてみると・・・・“中国本土から移住してきた電気工” でした。 英語も流暢でしたが、OPTUS社にはアジア系は他に2名しかいないと云っていました。
日本には腕のたつ電気工はたくさんいるのに、日本の英語教育の遅れから(アホな旧文部省のせい)英語が全くダメなので資格試験が受けられません。