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オーストラリア、シドニーから

 築後70年以上となると日本でいう「欠陥住宅」には該当しないかも知れませんが、シドニーの北方面、Lower North Shore 地区、Chatswood, Roseville, Naremburn, Willoughby 周辺の1920年代~1940年代に新築した一戸建て住宅の煉瓦(Double-brick も含めて)がひび割れしている住宅が65%以上になると報道されました。


住宅協会の発表ではその修理代に平均$50,000ドル(500万円)掛かっているそうです。主な理由はこの地区の土壌・土質が粘土質(Clay soil)なので長年住むと住宅の重みによって煉瓦(レンガ)に亀裂が生じる為です。


シドニーでは住む地区によって土壌が異なります。 例えは、このすぐ近くのMilsons Point, Waverton, St. Leonards 地区は岩盤、硬い土なので住宅を建築するのには最適ですが、土が岩なので基礎工事代が高くつきます。


反対にその東側Dee Why地区 デーワイ(サーフィンで有名なManlyの北側)は砂地、Sand なのでビル建設など基礎工事に杭を地層深く掘るため経費がかさむという特徴があります。


一見してシドニーは緑が多くて欧州の香りのする落ち着いた街に見えますが・・・じつはとてもアップダウンの多い坂道の街、日本の長崎以上なのです。

どこのお家を見てもフラット(平たい)お家はまれです。 


坂道に住宅は建っています。 土壌・土質以外に基礎工事にも多額の費用が要るのです。傾斜地に住宅を建築する場合は、数本の大きな杭を地層深く打ち込みます。 いわゆる “ターザンライフ” のような危険極まりない住宅を設計しなくてはなりません。 日本の都市の近郊ではのどかな田園風景、野菜畑

などが散見されますが・・・・シドニーの近郊では一切田園風景、野菜畑はありません。 ソイル(土壌)が野菜畑に不適なのです。 


シドニー市民に供給する日々の野菜は、シドニーから50~100kmはなれた遠隔地のソイル(土壌)の良い、野菜畑に適した土地にて栽培されています。シドニーは地震がない都市なので、住宅の寿命は100年以上もありますが、粘土質などの場所に建つ住宅では目に見えない被害もあるのです。


日本でもいざ住宅を建築したらその土地が元沼地で床下から湿気が・・・という悲惨なニュースを聞いたことがありますが・・・シドニーでもいざ住宅を購入する場合、地層の知識も少し要るようです。最近では、シドニー市南側のNewtown、Ashfield地区も粘土質による欠陥住宅が発生して問題になっているというニュースがあったばかりです。


平均7年に1回転居するオージー(豪州人)達も引越しする場所、地層を研究しておかないと後で高くつくということになりかねません。ただ、日本と大きく異なる点は、レンガ造りの個人住宅は「湿気moisture」が極端に少ないので木造の天井、柱など100年経過してもまったく大丈夫、陳腐化することはありません。

この地では、とても長持ちするのです。


日本の木造住宅は借金、ローンの返済が終わる築後35年頃には陳腐化するか、または補修工事をしないと耐久性に欠ける家が多いようです。日当たりの悪い家は湿気の影響でなおさら劣化が早まります。


1980年以前に建築されたシドニー周辺の一戸建ての住宅は殆どがダブルブリック(Double Brick・二重構造の煉瓦造り)でしたが、不動産価格の急騰に伴い、建築費用が安上がりのシングルブリック(Single Brick・一重構造の煉瓦造り)になってしまいました。 


外見上は区別がつかないのですが、一重構造の欠点は外壁のレンガが薄いので冷暖房機能が働かず、且つ防音効果も 2重構造と異なり余り期待できず、道路側であれば車の騒音をまともに受けることになります。 


また、防音効果のある断熱材も簡単にはめ込むことができません。また、屋根の煉瓦は伝統的なテラコッタ(Terracotta 茶褐色粘土素焼き瓦)が一般的でしたが、それより安上がりのブリキ(Blik 錫をメッキした薄い鉄板)の方が安価で雨漏りを防止できるという理由で茶褐色の情緒溢れる外観が少しずつ失われてゆこうとしています。  


テラコッタであれば、夏の猛暑にも耐えて涼しく暮らせるのに残念なことです。加えて、航空機から撮影されたシドニーの街並みは 茶褐色のテラコッタが

伝統的で一番美しく、ちょうとイタリア、スペインのような雰囲気で最高の味わいがあるのに、将来は茶褐色系から黒、灰色系の屋根(スレートslate)に移り替わることは寂しい限りです。 


シドニーの紺碧の空にマッチするのは明るい、南欧系茶褐色の屋根に優るものはないのですが・・・・一言、注文をつけるとしたら、日本の大都市の街並みはそれなりに綺麗ですが、街路地が極端に乏しく緑がありません。 まるでコンクリートジャングルです。緑豊かな街並みが欲しい、公園などもっともっと整備して、欧米諸国のように、 “心豊かな街” にして欲しいものです