SKYのブログ -10ページ目

SKYのブログ

オーストラリア、シドニーから

日本の戸建て住宅の平均寿命は30年から35年・・・つまり住宅ローンの支払いが終わる頃が賞味期限ギレという訳ですネ。



土地、建物の遺産を子息に相続した場合、土地の評価価値はあっても、住宅の価値はほぼゼロという結果となります。

それは、つまり残念ながらアジア特有の高温多湿気候が災いして、日本の伝統的な木造建築寿命を短くしているのです。

日本はおおむね冬は寒くて、夏は湿気が多くむし暑い。 秋には台風、地震、TUNAMIなどなど、災害の多い国なので良質な住宅を維持するのには大変な苦労が要ります。何といっても、最大の敵は 「高温多湿」といえます。



昨今では、ツーバイフォーなど新建築様式の建物が多いのですが、日本の気候風土にあった木造住宅(一部鉄骨)なので100年以上もリフォームなしで居住できる住宅は極めてまれな条件が必要となります。

一方、この地、シドニーでは築後100年以上経過しても、住宅の価格は賞味期限ギレとはなりません。地震がなくて、湿気が少ない。 天災が殆どないので(居住地域により約10年に1回程ストームに襲われて瓦が飛ぶ珍事もありますが・・・)戸建て住宅の転売価格は下落しません。 築後100年~150年経っていても大丈夫なのです。

そればかりか、建築後100年以上の住宅はヘリテッジ ハウス Heritage House)は世界的な潮流をうけて、歴史的建築物保存の対象となります。

ヘリテッジの指定を受けると、両隣のお家がリフォーム、新築する場合は建築許可条件が厳しくなり、壁の色、住宅の外観など、ヘリテッジハウスの美観を損なわないような建物でないと建築許可がでません。

レンガの色は多種多様、20年から30年の周期で流行色が変わりますが、どのレンガも耐用年数200年から250年長持ちます。

1788年から1980年代迄は どの住宅もダブルブリック(レンガの二重構造)で騒音・寒暖の差を遮断していたのですが、最近ではコスト面を

節約するために 殆どの家がシングルブリック(レンガの一重構造)にして、二重の代わりに断熱材を使っています。

屋根は伝統的な南ヨーロッパ風のテラコッタ(茶褐色の素焼き粘土瓦)が主流ですが、昨今移民の人々が多く、200カ国の人種の好みを反映してか

屋根の色はさまざま変化しています。



物価高騰によりテラコッタ瓦屋根は建築費が高くつくので、より安価なトタン、スレートなども多く使われるようになりました。

(日本でも伝統的な日本瓦が重たくて、むしろ軽量のスレートが多く好まれるのとよく似ています)



年中紺碧のシドニーの空には茶褐色の屋根が似合うのですが、シドニー市は屋根の色、特殊地域を除いて規制していないので、新築の屋根の色は灰色系が多くなりました。



シドニーの住宅土地価格は世界ワースト10に入るほど高いので、住宅建築費をいかに節約するかに知恵を絞らなくてはなりません。

但し、住宅耐用年数を換算すると、日本の住宅の5倍から6倍も持ち堪えることができるのですから、日本より安価であると唱える人もいます。

日本の住宅の建築期間は4か月平均ですが、この地は平均1年以上かかります。 建築の途中で設計を変更すると1年半かかる場合もあります。

日本の様に耐震設計もしない単純構造なのですが、日本のミサワ、パナホームなど大手は進出していなくて、戸建住宅建築はすべて個人営業

の大工さん、個人工務店の仕事なので、どんな間取りでも原則的に手造り、オーダーメイドなので時間がかかるのです。

大手建設会社は鉄筋のビルのみ集中して手掛けます。



数年前から日本のセキスイ、一条工務店がテスト的に進出していますが、きわめて小規模です。 従来工法の個人工務店といかに協調するか、模索中です。

日本の工務店が進出しても、すぐに “儲かる” システムはなかなか構築できていないのが現状です。