調布小型機墜落事故から2年(後) | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 (つづき)

 しかし、重量超過は問答無用である。
羽田空港くらいの滑走路があれば
もしかすると上がれたかもしれないが、
あの調布で、あの暑さでは通常の重量でも
きつかっただろう。それを止めなかった
責任は大きい。結果として、人命が失われ、
多くの調布を定置場にしている小型機が
飛行の機会を奪われた。

 参考までに、小型機が重量超過で
離陸を試みるとどうなるかを映した
事故動画を添えておくので、ご興味の
あるかたはご覧になっていただきたい。
 
 → Cessna 172 crash in Colombia

 学科の講義でも使用している動画だが、
10年ほど前に南米コロンビアで起きた
セスナ172の墜落事故の映像である。
病気の子供を搬送する医療フライトが、
定員以上乗った上に医療器材満載で
重量超過、重心が後ろに行き過ぎて、
離陸直後から機体がコントロールを失い、
さらには上昇できずに住宅に墜落、
乗っていた5人も全員死亡したという事故。

 調布の事故も、これと似たような状況
だったと推察される。
 
 調布の事故で亡くなった3人は今日で
3回忌。冥福を祈るとともに、空の安全は、
機長、乗客、管理、整備、管制、気象、
みんなで作り上げるものだという思いを
新たにし、さらなる安全運航を目指して精進したい。