先週も書いたが、調布でパイパー社の
小型機が墜落し、地上にいた人をも巻き
込んで死者を出した事故は記憶にも
新しいと思う。今日であの事故から丸2年。
事故報告書の抜粋は下記のリンクを
ご覧いただければかなりわかりやすく
解説してある。報告書そのものは177ページも
ある大作なので、概要をお知りになるには
これで十分だと思う。
→ 事故調査報告書
いろいろと外的要因が重なった結果だと
常々私は書いてきたが、意外や意外、機体が
重量超過で離陸したという事実が浮き上がり、
これには衝撃を受けた。
最大離陸重量の超過は、機長が絶対に
やってはいけない行為の最たるものである。
機体強度もさることながら、重心位置、離陸
速度、離陸距離、必要燃料等々、飛行に必要な
緒元は最大離陸重量までしか数値化されておらず、
それ以上はマニュアルに書かれていない(あたり
まえの話だが)
いったい何を拠りどころにして機長は操縦輪を
引いたのだろう?
機長は飛行の最終責任者だから、どのような
事情があろうと離陸させた以上は機長の責任に
よる事故だと考えるが、事故報告書を読むまでは、
私は比較的この機長に情状酌量の余地もあるの
ではという立場を取ってきた。
(つづく)