正月スポーツ雑感(下) | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 ラグビーもさることながら、もう一つの
正月の顔、箱根駅伝も、「傭兵」花盛り。
 
 当初山梨学院大が始めたこの傭兵戦術、
最近では駅伝創設校の一角である日大も
すっかりお世話になるようになり、今年は
拓大、創価大も含めて4人の外国人助っ人が
箱根路を走った。揃いも揃って花の2区を
走ったところを見ると、関東陸連は、外国人
助っ人は2区のみと制限をかけている
ようにも見受けられる。
 
 こちらもまた、ルール違反ではない。
別に外国人であっても、学籍があれば
問題ないではないか? 確かにその通り。
建前上は違反でもないし、日本の伝統文化、
「エキデン」を体験してもらえるということは
国際交流にも一役買っているかもしれない。
 
 しかし、その「傭兵」は、ほぼ全員ケニアの
出身。それ以外の国もごく稀に見かけるが、
タンザニアなど、アフリカの国。アジアや
ヨーロッパ、アメリカなどからの留学生が
駅伝を走ったことなど、ついぞ見かけた
ことはない。
 
 「走る」という身体能力に秀でた者を
連れてきて戦力に充てる… きわめて
合理的な強化方法ではあるが、はたして
それが学生競技たる箱根駅伝の追うべき
姿なのだろうか?
 
 小学校の運動会、切磋琢磨のクラス
対抗リレー。1年生から6年生まで、
代表がクラスのためにトップを目指して
放課後に練習を積み重ねてきた。
そこに、あるクラスは中学生の全国大会
クラスの人を一人連れてきて、他の
小学生たちを圧倒して、クラスに勝利を
もたらしたとしたら…
 
 負けたクラスの子たちはどう感じるかな?
勝ったチームの子たちは心の底から
誇らしいと感じられるかな?
 
 視聴率が25%を超える、正月のお化け
番組である。上位にいれば大学名を
広告費なしに連呼してもらえる。そういった
皮算用もあるだろう。しかし、そうまで
して勝ちたいのだろうか? そうまでして
勝って、その先に、選手たちの心に
残るのは「自分たちの力で勝ち取った
勝利」なのだろうか?
 
 奇しくも今年は「傭兵」を擁した4校は全て
シード権を取れず惨敗に終わった。
「傭兵戦略」… はたしていつまで続くのか?
個人的には、何と言われようと「純血」チームの
健闘を応援したい。