VFE … Vは「速度(velocity)」のV、
FEは「Flap Extended」の頭文字。
飛行機のマニュアルには
こうした「V speed」と呼ばれる
運用に大変重要な速度がいくつも
定義されており、それを守ることで
安全なフライトが成り立っている。
冒頭の速度は「Maximum Flap
Extended Speed」、日本語では
「最大フラップ速度」と訳されている。
この速度以上でフラップを下ろす、
あるいはフラップを下げたまま
この速度以上に加速すると、強度上
フラップが損傷する恐れがある限界。
速度計にもしっかりと白い弧で
描かれているのだが、着陸進入時、
訓練生は他の手順に気を取られる
あまり、往々にしてこの速度以上で
フラップを下ろそうとすることがある。
スロットルを絞り、反射的にそのまま
フラップを下ろしてしまうのだ。
対応は簡単。フラップを下ろす前に
速度計を確認させ、「Check Airspeed
below ○○knots」と、速度を喚呼
させるだけでよい。これで大概治る。
教官(=私)が怒鳴るのは2点
この速度喚呼を怠った時と、実際に
計器を見ないで機械的に声を出して
いるだけの時。これは訓練生の目の
動きを見れば一目瞭然。
教官が同乗しているうちに骨の髄まで
叩きこんでおかないと、単独飛行に
出てから事故を起こしかねない。
三つ子の魂百まで。
今日もまたヘッドセット越しに生声が
聞こえるくらいに大声で怒鳴られた
訓練生が1人… (笑)