ドバイからロシアのロストフ・ナ・ドヌ空港に
向かっていたフライドバイ981便(B737
-800)が、悪天候の中で着陸しようとした
ところで墜落し,乗員7人、乗客55人全員が
死亡したとのこと。

日本時間では午前9時50分頃。監視
カメラ全盛のご時世、早くも事故の瞬間の
画像が公開されている。 → 動画
一部報道によると、悪条件のためゴー
アラウンド(着陸復航)に入った直後に
墜落したとか。
この映像を見ると、かなりの急角度で
降下(というよりはむしろ落下)しており、
墜落前から機体から火が出ているように
見える。
事故当時の風は
URRR 190100Z 24014G22MPS 3800
-SHRA BKN014 BKN033CB
OVC100 06/04 Q0997
R22/290046 TEMPO 25017G25MPS
1000 SHRA BR SCT003
BKN020CB RMK QFE740/0987
風向風速の観測値の後ろについている
「MPS」は、Meter Per Second、毎秒○mと
いう意味。ロシア、中国、東欧圏は航空
単位にメートル法を使っているのでこういう
但し書きがつく。我々の単位系に換算すると
「風向磁方位240度、風速28ノット、ガスト
(突風)44ノット」となる。かなりの強風である。
滑走路は04/22なので、ほぼ風に正対、
20度右からの横風となっていた。特記事項
として、R22/290046とあるが、滑走路の
着陸端では290度、46ノット吹いていた
模様である。
空港上空3,300フィートには雷雲があり、
当時は雨、視程も3800メートル(2マイル
ちょい)と、悪コンディションであった。
事故原因の調査はこれからだが、DFDRと
CVRが見つかれば比較的早く進むだろう。
個人的な推測では、エンジンに内的あるいは
外的要因が加わって火を噴き、推力を失ったか、
雷雲からのダウンバーストに食われたか?
といったところを考えている。動画の降下角度を
見たところでは、機体は安全なコントロール
下にはなかっただろう。
B737の最新ヴァージョン、就航5年の
比較的新しい機体、LCCとはいえ、会社は
ドバイということで、機体側の要因は
あまり考えられないような気がする。